約 4,308,143 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6417.html
ファイナルファンタジーII 【ふぁいなるふぁんたじーつー】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 トーセ 発売日 2007年6月7日 定価 3,800円(税5%込) プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 廉価版 アルティメットヒッツ2009年7月30日/2,800円(税別) 配信 PS Store2011年2月22日/2,100円 判定 良作 ポイント GBA版を元にあらゆる要素をパワーアップ ファイナルファンタジーシリーズ 概要 GBA版からの変更点 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『ファイナルファンタジーII』のPSP移植版。ファイナルファンタジー20周年記念作品のひとつで、「Anniversary Edition」と銘打たれている。 GBA版『ファイナルファンタジーI・II アドバンス』をベースにしており、追加シナリオである「Soul of Re・birth」も収録している。 ゲームバランスなどの基本的な特徴はベースとなったGBA版とほぼ同じであるため、そちらを参照されたい。 GBA版からの変更点 秘紋の迷宮 ストーリーと並行して挑戦できる追加ダンジョン。序盤から挑戦可能であり、世界に三か所ある「秘紋の迷宮」に入り、入り口で言葉をたずねることにより、内部のダンジョンが変化する。以後はフロアごとに言葉をたずねつつ進み、一定数のフロアを突破してボスを倒すと、該当する「秘紋の迷宮」はいったん封印される。三か所すべての迷宮を封印し、「秘紋の聖域」と呼ばれる場所にいる「デュミオン」に話しかけ、なにか言葉をたずねると「フレキオス」との戦闘になり、それに勝利することでキャラクターの専用装備を入手(*1)、ふたたび「秘紋の迷宮」に挑戦可能となる。 各フロアは、入る際にたずねた言葉を元にしたつくりとなっている。たとえば反乱軍の合言葉である「のばら」をたずねた場合、反乱軍が城内で戦っているようなマップへと移行する。 フロア内にいる人物から「特定の敵を倒す」「特定のアイテムを取ってくる」などの依頼をされることがあり、それらを達成すると、新たな言葉を覚えたり、異なるフロアのヒントを入手できる。 もちろん依頼された内容を実行するかどうかは強制ではなく、無視して次のフロアに行ってもかまわない。 迷宮内ではセーブできない。中断したい場合はPSPのスリープ機能のみ。 かなり難度が高く、最序盤でもいきなりミシディアのボス格である「ビッグホーン」が出現する。 言葉には相性があり、直前のフロアと良相性の言葉を選ぶと、フロアの敵の強さや宝箱のアイテムの質が変化する。 たとえば「自然・生物」をあらわす言葉「のばら」と、「物質・人工物」を表す「ミスリル」は相性が悪く、「のばら」のフロアの次に「ミスリル」に挑戦すると、難易度が高くなるといった変化が起こる。 そのため、同じ相性を表す言葉を連続してたずねると、攻略難度は低下する。また、「竜騎士」と「飛竜」といった最良の組み合わせでは、敵が出現しなくなる場合も。 また、「キャラクター」と「言葉」の相性も存在し、すべての「秘紋の迷宮」を突破するまでにたずねた言葉の累計で、もっとも相性が良いキャラクターの専用装備を入手できる。 言葉の相性に関しては、とあるキャラクターから教えてもらえる。また、キャラクターに関係のある言葉なら、良相性の場合が多いため(「ゴードン」なら「女神のベル」など)それらを意識して選択すれば、狙ったキャラの装備入手はそれほど難しくはない。 ギャラリーモード PS版に存在した「ギャラリーモード」が復活。モンスター図鑑などにくわえて、本作のキャラクターデザインである天野氏の原画を閲覧可能。 本作のロゴなど、PS版の時点では存在しなかったアートが追加されているのも特徴。 その他 「防御」コマンドが追加。 『Soul of Re・birth』にて手に入るアルテマ(ミンウ専用)のみ仕様が変更され、基礎威力600でレベルによって威力が上昇する普通の攻撃魔法となった(*2)。 本編登場のものに関してはGBA版と同じ仕様。 評価点 秘紋の迷宮 好きなタイミングで挑戦でき、無視しても本編にはまったく影響がない。 また、本編では期間限定でなかなか出現しない敵や、入手が困難なアイテムも制限なく登場するため、ギャラリーを埋める際にも利用できる。 これまで本編では入手個数が制限されていたアイテムの一部も、このダンジョンで無限に入手できるようになっている。その中には「ディフェンダー」や「ブレイクのほん」といった、有用度が高いものもある。 キャラクター用の装備が追加されたため、「Soul of Re・birth」に備えて、死亡するキャラの専用装備を揃えておくといった使い方もできる。 「言葉の数=フロアの数」となるので、本編で新たな言葉を覚えるたび、新しいフロアにチャレンジ可能。 + ネタバレ 「秘紋の迷宮」のフロアのあちこちにショートストーリーがちりばめられており、さまざまなフロアをめぐることにより、ひとつの話が完成する。 とくに意味がないと思われていた「デュミオン」にたずねる言葉も、とある特定のふたつの言葉のみ、異なる反応を示す。 どちらの言葉をたずねたかによって展開が変化し、新たな魔法「デストロ」「リバイブ」のどちらかを入手できる。 新魔法ではあるが、このショートストーリーで魔法の背景が詳細に語られている。 グラフィックス 前作のPSP版と同様、グラフィックはとても美麗。 従来のリメイク版では、基本的に同じグラフィックを流用していたが、本作はすべてのグラフィックが新規となっている。 解像度を上げただけの焼き直しではなく、すべて天野喜孝氏の原画がベースとなっており、氏の描く世界をできるかぎり再現するよう心掛けている。従来のリメイクでは平凡な服装だったガイも、原画に準じたマントを羽織るようになっているといった変化がある。 敵幹部の「ダークナイト」の顔グラフィックは、GBA版では正体の人物をそのまま暗くしただけという初登場からネタバレに近いあんまりな状態だったが、PSP版ではきちんと兜を被った独自のグラフィックが宛てられた。 モンスターのグラフィックスも同様に新規作画 WSC版以降のリメイクでは、FC版とは異なる構図になっていたために賛否を呼んでいたが、「ゴブリン」「バンパイアガール」など、一部モンスターの構図がFC版(天野氏の原画)と同様になり、さらに細部まで描き込まれている。 原画が構図のベースとなっていることが多く、とくに「ソルジャー系」のモンスターはFC版ともWSC版以降とも異なる筋骨隆々な兵士となっており、従来とはイメージが大きく異なる。 そのモンスターの原画が存在しているが、WSC版から構図が変化していない敵もいるため、結果的にFC版とWSC版の折半のような状態になっている。 ようやく究極魔法の名にふさわしい性能となったアルテマ。 SoR限定とは言え、まっとうに成長させられるようになったアルテマの性能は凄まじい。Lv8程度でも5000近く、最大となるLv16では常時9500以上のダメージが期待できる、まさしく究極の破壊力を誇る魔法になった。 本編もこの仕様にしなかった理由は不明。アルテマを最強にすることが一種のやりこみ要素として機能しているためだろうか。 賛否両論点 専用装備が増えた やはり「誰でもすべての武具を装備でき、自由な成長」をさせられるのがウリであるFFIIに、専用装備の概念は水と油のようなものであり、受け入れがたいプレイヤーも存在した。 専用装備は、おおむねイメージどおりの武器ではあるが(フリオニールに「ラグナロク(剣)」など)、わかりづらいキャラも存在する(レオンハルトのロンギヌス(槍)、ヨーゼフのドラゴンクロー(ナイフ)など)。 専用装備と、集中的に鍛え上げている武器の種類が異なっていた場合、置物になってしまうことも…。 もっとも、使用を強要されるような場面はないため、入手しても使わなければよい。むしろ入手時期にくらべると非常に強い武器が多いため、多用すると本編がヌルゲーになってしまう。 GBA版相当のゲームバランス・テキスト ベースがGBA版であるため、本作もオリジナルであるFC版に比べてゲームバランスやテキストに大きな改変が見られる。 「いいじゃないか タダだし」などの名セリフがシリアスな内容に変化しており、変更を残念がるユーザーもいる。ゴクッやウボァーはあるが… 「勝手にHPが上昇する」「上がりやすい熟練度」「強すぎるテレポ」などのゲームバランスもGBA版同様である。FC版のシビアなバランスにくらべると簡単すぎるため、肩透かしを食らうことになる。 また、今作より追加された秘紋の迷宮を利用すれば、各キャラ専用の強力な武器はもちろんのこと、古代の剣・眠りの剣・マインゴーシュ・ディフェンダーといった、従来は強力だが一点物だった武器までも、本作では複数入手できてしまう。 場違いな強さの敵が出現する場所がそのまま 大半の地形が陸続きで、序盤から移動範囲は非常に広く、自由度が高い弊害か、FC版から「スタート地点であるアルテアのすぐ南の海岸に、ミシディア周辺の敵が出現」「ガテアの南西に、ミシディアの塔周辺の敵が出現」「フィンの北に大戦艦周辺の敵が出現」など、序盤にもかかわらず、その地点にはじめて到達した時点ではまったく歯が立たない強さの敵が出現する地域があるのだが、本作でもそれらがそのまま残っている。 そのため、本作でもFC版~GBA版までと同様に、目的地の村や町がどこにあるのかわからないまま、うっかりそこに侵入→即全滅といった事故が起こる。 危険地帯を見分けるような目印も存在しないので、攻略情報をちゃんと仕入れたうえで慎重に進んでいるプレイヤーですら、誤って侵入し、ひどい目に遭う場合も。 もちろん、序盤からキャラクターを鍛えて「ミシディアの町」に行くのが当然のような熟練プレイヤーであれば、こういった場所にあえて侵入し、稼ぎに利用することもできるので、一概に悪いとはいえないのだが。 問題点 秘紋の迷宮以外では役立たずな大量の追加ワード 「秘紋の迷宮」専用として新たに追加された「言葉」は、本編では全く用途が無いにもかかわらず、本編の言葉と同様に扱われる。 このため、本編で実際に必要となる言葉が埋もれてしまう。本編を初めてプレイするユーザーは戸惑うことになる。 総評 ピクセルリマスター発表以前のFFIIの最終形態であり、PS版相当の豪華なBGMにくわえ、新たに描きなおされたグラフィック、復活したギャラリーモードなどそれまでのリメイクを総括した内容となっており、完成度は高い。 PSP版Iのような「追加ダンジョンが失敗している」「バランスを変更しすぎてかえって崩れた(*3)」といった蛇足部分もなく、さらにGBA版ベースのアレンジもされているために敷居が低くなっており、初めてFFIIに触れるプレイヤーならば、本作がもっともおすすめである。 余談 本作の発売から2年後、オリジナルのFC版や、それをベースにしたWSC版に近いゲームバランス・テキストであるPS版が、同じくPSPのゲームアーカイブスで配信されている。 このため、PSP/PSVではGBA準拠リメイクのPSP版と、FC準拠リメイクのPS版の両作を、同一ハードでプレイすることも可能となっている。 本作の移植であるスマートフォン版も配信されていた。 2021年6月14日、『I』~『VI』までをオリジナル版ベースで2Dリマスター化する『ファイナルファンタジー ピクセルリマスター』シリーズの配信が発表された。 それに伴い、従来配信されていたスマートフォン版は、3Dリメイクである『III』『IV』を除いて2021年7月29日に配信が終了した。 同日に配信されたピクセルリマスター版『II』では、Soul of Re・birthや秘紋の迷宮が削除されているため、本作の価値はいまだに高い。
https://w.atwiki.jp/nintendo_vc/pages/569.html
ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエストデータ 概要 他作品との関連 データ スクウェア・エニックス:2010年12月21日配信 スクウェア:1993年09月10日発売 ジャンル:RPG プレイ人数:1人 コントローラ:GC・クラコン 使用ブロック数:19 紹介ページVC紹介ページ 概要 他作品との関連 VCで配信されているソフト ファイナルファンタジー(FC) ファイナルファンタジーⅡ(FC) ファイナルファンタジーⅢ(FC) ファイナルファンタジーⅣ(SFC) ファイナルファンタジーⅤ(SFC) ファイナルファンタジーⅥ(SFC) VCで配信が期待されるソフトファイナルファンタジー(MSX版)(MSX) ファイナルファンタジーI・II(FC) ファイナルファンタジーIV イージータイプ(SFC) 任天堂ハードで現在入手可能なお勧めソフトファイナルファンタジーIII(NintendoDS版)(DS) ファイナルファンタジーIV(NintendoDS版)(DS) ファイナルファンタジーIV THE AFTER YEARS 月の帰還(wii:wiiware) ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング(DS)
https://w.atwiki.jp/kuroyutori/pages/59.html
「勝利(ファイナルファンタジーより)」 パパパパー パー パー パッパラー テーテーテーテ テーレレー テテーテ テーテーテーテレー テーテーテーテ テーレレー テテーテ テーテーテーテレェー
https://w.atwiki.jp/gabarta/pages/28.html
ファイナルファンタジーⅢ(にゃんこ兄貴)
https://w.atwiki.jp/wiki11_row/pages/72.html
ファイナルファンタジー・バトルロワイアルについて スレ所在:FFDQ@2ch掲示板→したらば避難所 関連項目:FF2nd,FFロワのルール,無名キャラ,リスタート 外部リンク ■支援サイト FFバトルロワイアル メモ帳(簡易まとめサイト。消失) FFバトルロワイアルまとめサイト(初代まとめ。消失) FFロワ専用板(したらば)(避難所) FINAL FANTASY BR(したらば。3rd?ではないが新企画を試みるも閉鎖) ■スレッド ファイナルファンタジー・バトルロワイアル ファイナルファンタジー・バトルロワイアルLV2 ファイナルファンタジー・バトルロワイアルLV3(2006年10月9日にDAT落ち) FFロワ正式投下用スレッド(現行スレinしたらば)雑談スレッド(現行スレinしたらば) ふぁいなるふぁんたじー・バトルロロイワルLv3(2ndのスレ。2006年9月23日にdat落ち) 【コメント】 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/lilia/pages/364.html
メーカー スクウェア・エニックス 機種 PS4PSPXBOX ONEPC(Steam) ジャンル 3DARPG キャラクター レム(CV 白石涼子)デュース(CV 花澤香菜)ケイト(CV 茅原実里)シンク(CV 豊崎愛生)サイス(CV 沢城みゆき)セブン(CV 青木まゆこ)クイーン(CV 小清水亜美) シチュエーション 備考 PSP版初版PS4,XboxOne,Steam版はリマスター(ファイナルファンタジー零式HD) bkbb公式サイト http //www.square-enix.co.jp/fabula/0/ 無料体験版ダウンロード可(※現在配信されている体験版ではゾンビに会えない模様) コマンド入力式ではなくリアルタイムバトル 大量の敵に囲まれるとあっという間に死ぬ 悲鳴は中ダメージ・ふっとばされ・死亡(セリフ) 他にもあるかもしれない 772 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/11(木) 17 12 32 ID ??? 零式ざっとやってみた のけぞりや吹っ飛び、悲鳴はまあまあ良い ミサイルやファイアブレス等の火炎攻撃食らって死んだ時のもがきっぷりは中々 死亡後は画面暗くなるが控えキャラが居る場合はぱんつ丸見えで倒れてるメガネ娘を視姦可能だった 敵の攻撃は銃火器や打撃、魔法等 ゾンビみたいなのは掴み掛かっての噛み付きやダウン追い討ち噛み付きをしてくる 吹っ飛ばされたメガネ娘がゾンビ3体くらいに群がられたのは良かった 短剣娘=ピンク メガネ=純白 鎌娘=赤に黒のライン 774 名前:名無しさん[] 投稿日:2011/08/11(木) 17 33 15 ID LE4AQ5Go 表情の変化とかあるのかな? 775 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/11(木) 17 42 33 ID ??? 変わらんだろうけど、それが確認できるほど視点は近くない まあ使いたくもない野郎キャラを使わされる事がないのは高ポイントか 776 名前:名無しさん[] 投稿日:2011/08/11(木) 18 35 23 ID vVvGlghc [2/2] とりあえず普通にプレイしてもリョナれるように一人で作戦参加してるが 最初にでてくるちょっと強めの雑魚にすら瞬殺されるな。 一人プレイだと死ぬと絶対パンツ見えるように倒れるのは意図的なのか。 委員長風のメガネ娘が案外弱弱しい声をだすのが○ 790 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 12 00 54 ID ??? FF零のゾンビいいな 「食わせろぉ~」と言いながら締め上げながらガブリ、 悲鳴を上げさせながら放り投げ、自分は御馳走様といわんばかりに口をぬぐうw 791 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 20 26 55 ID ??? あれダウン追い討ちが即死なのが残念すぎた。。。 792 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/12(金) 20 37 49 ID ??? 4つ目の作戦、普通にやったらミサイル1発で即死してうけた ほんとの戦場とはこんなもんだよな。。。 なんだかんだでサンダー無双でしたが 普段魔法使うときもスカート抑えたりしてる娘がダウンするときは 無防備で倒れてるというのもなかなかいいね 795 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/13(土) 21 06 08 ID ??? FF零式は、スカート履いた美少女を戦争に駆り出したり、ミッションで失敗したら死ねだの、シチュエーションに萌える。 796 名前:名無しさん[sage] 投稿日:2011/08/13(土) 21 52 15 ID ??? 兵士さんは味方が死ぬと 「一人殺ったぞー!」「ヒャッハー!」とか言ってくる タグ一覧 3DARPG PC(Steam) PS4 PSP XboxOne
https://w.atwiki.jp/hasewo1129/
{ファンタジー也 基本ルール 小さくてもいいのでろるをお願いします 本体会話は (( でお願いします ちーと設定は禁止です 世界観とかはかんがえちゅうですw}
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6549.html
ファイナルファンタジーXV 【ふぁいなるふぁんたじーふぃふてぃーん】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーション4Xbox OneWindows (Microsoft Store/Steam/Origin) 発売・開発元 スクウェア・エニックス 発売日 【PS4/One】2016年11月29日【Win】2018年3月7日 定価 【PS4/One】9,680円(税込)【Win】8,580円(税込) 廉価版 【PS4/One】ROYAL EDITION 2018年3月6日/8,580円(税込) レーティング CERO C(15才以上対象) 判定 なし ポイント オープンワールドで「旅」を表現映画・アニメ等のマルチメディア展開期間限定イベントなどのアップデート食い合わせの悪い要素の数々多数のバグ(後に概ね改善)説明不足で分かりづらいシナリオ ファイナルファンタジーシリーズ 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 移植・関連作品・タイアップなど その後の展開 父と子。そして王の物語。 概要 『ファイナルファンタジー』シリーズのナンバリング第15作。略称は『FFXV』『FF15』 元々は『XIII』の関連作である『ヴェルサスXIII』という名称で2006年に発表されたが、同時発表された『アギトXIII』(後の『零式』)と違い、インタビュー、PVなどが幾度か公開された後は音沙汰がないままであった。 2013年に対応機種の変更、タイトルも改題され『XIII』シリーズから切り離された新規ナンバリングタイトルとして発売されることが発表された(*1)。 2016年に発売日が正式発表されるも延期を挟み、実際に発売されたのは最初の発表から実に10年以上が経過した2016年11月29日となった。 また、マルチメディア展開としてアニメ・映画も存在し、アニメは前日譚、映画は本編1章と同時系列となっている。 実在する様々な有名ブランドとのコラボや、ゲーム内ミニゲームを(現実の)スマホアプリとして配信するなど、現代のライフスタイルを随所に反映した展開が行われた。 特徴 オープンワールドと一本道 オープンワールドを本格的に採用。 スタート直後からメインストーリーによる行動制限がシリーズ中でもゆるいため、昼夜や天候の変化もある大自然を駆け巡り、狩りや観光に勤しむのも乙なもの。 フィールドマップはストーリーの進行に応じて、通路封鎖の解除という形で探索できる範囲が少しずつ拡張されていく。 『ライトニングリターンズ』でもオープンワールドが採用されているが、戦闘がエンカウント式であり、フィールドも今作ほど広いものではなかった。 ゲーム終盤はオープンワールドではなく、過去作のようなリニア展開(一本道)になる(オープンワールドマップへ戻ることは可能)。 強力な敵「シガイ」 夜間やダンジョンなど、日の当たらない場所に現れる。 ストーリーが進むにつれ「星の病」と言う影響により夜の時間はだんだん長くなっていく。 宿泊でレベルアップ 今作は一般的なRPGと違い、敵を倒すなどして得た経験値は蓄積という扱いになり、宿泊時などにまとめて清算される。 宿泊はキャンプ・施設の利用で行うことができ、キャンプはイグニスが作る料理を食べることで、一定時間能力が上昇する。 宿泊施設は料理による能力上昇がない代わりに、経験値にボーナスが入る。 フィールド・戦闘 戦闘はアクション形式 プレイヤーはノクティスを操作し、他のメンバーはAIで動く。 仲間を操作可能になるアビリティを修得することでノクティス以外も操作可能になる。 方向キーに割り当てた4つの武器を切り替えながら戦える。 □ボタン押しっぱなしで自動回避など(都度MPを消費)、アクションが苦手な人でも細かいボタンのタイミングは意識しないでよい作りになっている。 一部の敵の攻撃は画面に合図が表示され、正しくボタンを押すことで「パリィ」や「カウンター」を行える他、背後から攻撃を当てると「バックアタック」となり威力が上がる。 △ボタンで「シフト移動」が可能。いわゆるワープ能力だが、敵に向かってワープした場合はシフトブレイク攻撃となり、距離に比例したダメージを与える。 これらはノクティスの場合であり、他のキャラの場合は戦闘システムが別のものに変わる。 やや特殊なHPシステム 0になると「ピンチ状態」となり、さらに攻撃を受けると「戦闘不能」となる。 ピンチ状態では攻撃不能など多くの制限がかかり、仲間からの救助や回復アイテムの使用で復帰可能だが、その際は最大HPが減少する(減少した分は宿泊などで回復可能)。 一部の攻撃や、HPが低い状態で大ダメージを受けるなどすると、ピンチ状態を介さず一気に戦闘不能となる。 魔法 マップ上に存在する炎・氷・雷のエレメントを回収・精製することで使えるようになる。 武器と同様、装備することで使用可能で、MPは消費しないが回数制限がある。 精製時にアイテムを追加投入することもでき、特殊効果の付与や回数増加などの効果を得られる。 仲間との連携 パリィやバックアタックを仲間の近くで成功させると、仲間の追撃演出が入り高いダメージを与えられる。 時間経過でたまるコマンドゲージを使い、仲間に指示を出して固有技を使わせることも可能。一部コマンドはタイミングよくボタンを押すと、ノクティスが追撃を行う。 ファントムソード召喚 王族の武器「ファントムソード」を手に入れると、ノクティスは一定時間戦闘力を強化する「ファントムソード召喚」が使えるようになる。 HPが0にならない・攻撃の手数が増える・敵の射撃攻撃などを自動で弾くなどの効果がある。 ファントムソードは複数存在し、多く手に入れるほどファントムソード召喚そのものも強化されていく。 通常武器としても装備可能で、それだけで大幅なステータス強化を得られるが、攻撃にはHPを消費してしまう。 料理 キャンプとレストランでは料理を食べる事ができる。料理によって異なる能力上昇効果を得られる。 各キャラにはそれぞれ好物が設定されており、その場合ボーナス効果を得られる。 キャンプではイグニスが料理を作っており、そのレシピは新しい食材を入手した時、イグニスのスキルレベルが上昇した時、フィールドの何処かをチェックした時や一部のレストランのメニューを食べた時など、様々な場面で閃き増えていく。 写真 旅の途中、仲間のプロンプトが写真を撮ってくれるという形でプレイ中の光景が記録されていく。 宿泊時に撮った写真をチェックすることになり、気に入った写真は保存しておくことができる。 撮ってくれる写真はイベント会話の選択肢や保存した写真の傾向など、プレイによってある程度変化する。 ドライブ ノクティスたちは「レガリア」と名付けられた車を所有しており、主要な移動手段のひとつとしている。 運転はオート・マニュアルを選択でき、車を通して各所へのファストトラベルも可能。 カスタマイズにより性能の向上、カラーの変更、ステッカーの貼り付けなどを行える。 他社とのコラボ 『ヴェルサスXIII』のキャッチコピーである"現実に基づいた幻想"を色濃く受け継いだ要素として、日清カップヌードルなど、現実に存在する物が多数登場している。 主人公たちの衣装や所持するコールマンのキャンプ器具の他、アメックスの店舗用ステッカーなどの小ネタも存在する。 過去に『ASSASSIN S CREED ORIGINS』やスクウェア・エニックスカフェとのコラボイベントを配信していたこともあった。 Steam版では、Steam Workshopに『Half-Life』のHEVスーツやバールを追加する公式MODを配信している。 DLC DLCエピソードは基本的に本編よりも難易度が高く、「ロイヤルパック」を除き、本編とは独立したモードとなっている。 「エピソード グラディオラス」2017/3/28配信 グラディオラスを操作し、コル将軍と共にルシスの遺跡に入り、剣聖ギルガメッシュの試練に挑む物語。 ノクティスとはガードシステムが異なり、ジャストガードに成功するとダメージ倍率が上がり、それを前提とした調整がなされている。 「エピソード プロンプト」2017/6/27配信 プロンプトを操作し、アラネア准将と共に帝国基地から抜け出し、彼自身の謎を紐解く物語。 銃を武器とするプロンプトらしく戦闘はTPSとなり、DLCの中でもシステムが他キャラと大きく異なる。 オンライン拡張パック「戦友」2017/11/15配信 映画キングスグレイヴに登場した「王の剣」を操作し、ノクティスの帰還を待つ10年間を戦い抜く物語。 ジョブシステムのような「王の加護」から一つを選び、プレイヤーの魔法アビリティなどを選択できる。 簡単かつ奥深いキャラメイクシステムを実装。小太りのオッサンから絶世の美女まで、幅広く作る事ができる。 戦闘システムも、映画の要素を逆輸入した上で本編とは違ったものに昇華させており、評判は上々。 NPCを同行させるという形でオフラインプレイも可能だが、協力プレイが前提なのでバランスはシビア。 後に『スタンドアロン版』になった。これに伴い、現在はプレイは不可能となっている。トロフィーデータも別扱いである。 「エピソード イグニス」2017/12/13配信 イグニスを操作し、レイヴス将軍と共にオルティシエでの窮地のもと、ノクティスを救うべく帝国軍に立ち向かう物語。 ノクティスに似て俊敏な立ち回りが可能。また、時間内の攻撃ヒット数に応じてダメージ倍率が上昇していく。 後述の「未来への夜明け」の伏線もあったのか、2週目からは異なる結末のIFストーリーを楽しむことが出来る。 「ロイヤルパック」2018/3/6配信 本編を拡張する大型アップグレード版。 最終章のマップ・ストーリー拡張及び世界観情報アイテムや一人称視点モード、クルーザーの開放など。 基本的には最終章のリメイクが目玉。また、クルーザーをオープンワールドで操作できるようになり、ルシスとオルティシエがシームレスに接続された。 「エピソード アーデン」2019/03/26配信 アーデンを操作し、初代王ソムヌスに復讐する物語。 上下左右、縦横無尽な移動が可能。アーデン自体が強力なキャラクターのため難易度は低め。 前半は帝国の研究所、後半は王都インソムニアが舞台。綺麗な王都をゲーム中で初めて実際に観光できる。 DLCの中で唯一、プロローグとなるアニメが公開されている。 「未来への夜明け」開発中止 「アーデン」「アラネア」「ルナフレーナ」「ノクティス」の4つが開発されていたが、「エピソード アーデン」以外は開発中止となった。 後に、残りの3つは小説に形を変えて発売された。 評価点 シームレスに繋がる広大なマップ。 イベントシーンやバトルはもちろん、ダンジョンに入る際にも基本的に強制的にロードを挟むことはない。 章の変わり、ファストトラベルを行ったり、PC性能などによってはさすがに長いロードを挟むが(後述)、基本的には間を置かずプレイし続けることができ、没入感に一役買っている。 BGMさえもシームレスに切り替わり、入店時などに見られる自然な切り替えはそれを意識すらさせないほど。 自由度の高めなアクションバトル。 複雑な操作を要求されることは少ないものの、○ボタン押しっぱなしだけでなく、左スティック+○ボタン押し直しにもそれぞれ技が用意されている。技を出し分けるのは難しいが、魅せる要素はある。 武器ごとにアクションが違い、コンボ中であっても切り替え可能で自由度が高い。 回復アイテムの性能が平均して高いだけでなく、召喚獣による形勢逆転・魔法による特殊効果や、時間が止まるウェイトモードなど、アクションが苦手な人でも楽しめるように、戦闘での難易度を抑える要素がいくつも存在する。 やろうと思えばシフトまたはパリィだけで勝つことも可能。この場合はほぼ「ブーストソード」頼りになるが。 「効率・スマートさ」などを追及し、目押しで武器切り替えからのジャストガードなどテクニカルなプレイも可能。仲間との連携や装備なども加味すると、戦術の幅はさらに広がる。 アクションにこだわる場合も様々なボタンを駆使しスタイリッシュに動かすことができる。他、リニア展開突入後にイベントの一環で突入する空中戦は、演出面においてもクライマックスであることをまざまざと感じさせる。 + 中盤の空中戦動画 ※ネタバレ注意 後のアップデートによって、ノクティス以外の仲間キャラクター3人を操作できるようになった。 こちらは各DLCのバトルシステムを本編向けに改良したもので、各キャラで使い方こそ異なるものの、いずれも強力に仕上がっている。 言わば全く別のバトルシステムが単純に3つ追加された事でもあるため、戦略性が大幅に増加、今作の優れた戦闘がより向上する事となった。 仲間操作にはアビリティツリーで中程度のAPを消費する必要があるが、別のDLCでAPを稼ぎやすくなっているため大した問題はない(*2)。 ちなみに仲間操作中、ノクティスは好き勝手に暴れ回っている。プレイヤー操作時の強さそのままでオートになるため、単なる操作キャラ変更以上にパーティの戦闘力の上昇が見込める。 昨今の『FF』に劣らずグラフィックは高品質。 特に料理のグラフィックは他の追随を許さないレベルであり、スタッフのこだわりが窺える。 フィールド・モンスターに関しても高水準を満たしており、AAAタイトルとして肩を並べるに十分なものとなっている。 ピンチのときに発動する召喚魔法もド派手でスケールがデカく、限界値を何度も叩き出す桁違いのダメージがその印象を引き立てる。 また、場所の違いや一部の敵に対しては演出も変化する。 ノクトなどの人間キャラは1人当たり10万ポリゴン前後というゲームとしては膨大なポリゴン数が使われており、それに合わせてテクスチャ解像度も高水準。 また、人間キャラや雲、樹木などのセルフシャドウも綺麗である。 町の看板などにはFFシリーズ由来のネタなども多数。 グラフィックだけでなくモーションも作り込まれている。 戦闘時のモーションはスピード感溢れるスタイリッシュでカッコよく、それが自分で動かせられるのだから堪らないものがある。 昼間に出現するモンスターについては現実世界における動物を参考にしてモーションが作られている。 アナクであればキリン、キュウキであればオオカミ、コカトリスであればニワトリと、現実の似た動物を上手くゲームに落とし込んでおり、没入感を深めると共に、架空のモンスターと思わせないほどのリアリティを持たせる事に成功している。 クリア後要素となるが、レガリアが改装によって飛行機能を得る。『IX』以来16年ぶりとなる、自由に飛びまわれる飛空艇の復活となった(*3)。 かなりの高度で飛ぶことができ、そこから見られる景色は一見の価値あり。 こちらもシームレスに飛行可能で、専用マップへの切り替えやロードもない。 仲間のプロンプトが撮影する写真の楽しさ。 任意の撮影機能こそアップデートなどでの実装となったが、道中勝手に撮ってくれるおかげで意識せずとも堪能できる。プレイヤーの意志が介入しない第三者視点の写真は非常に新鮮。 公式のスクショかと思うものから、思わず笑ってしまうネタ的な物まで様々な写真が撮られている。 一例を挙げると、状態異常「カエル」に掛かった時にバッチリ撮られる。しかもやたらとリアルで可愛らしい。 プロンプトのスキルレベルやコマンドに関わるものの、ゲーム上では有利不利といった実用性には全く関わらない。 だが、この要素は今作のテーマである「旅」の表現を担う軸の1つとなっており、その思い出を振り返ることができる演出としては掛け値なしに重要な役目を持っていると言える。 豊富なサブクエスト。 今作は基本的に世界の探索や寄り道をしながら進めることを主軸としたゲームデザインになっているが、それに十分な物量のサイドクエストが用意されている。 討伐クエストやイベント的なクエストなどその種類も多岐にわたっており、推奨レベルも細かく設定されているため、スピードクリアをしようとしない限りは途中で詰まりにくい。 攻略していくことでスタンプラリーのようにマップ上のファストトラベルポイントが埋まっていくため、移動が便利になっていく実感が得られるようになっている。 サブクエストとは別に用意されている討伐依頼「モブハント」もまた十分な数が用意されている。 戦闘中やダンジョンの要所など随所で聴ける豊富なボイス。 ただ歩いているだけでも様々なやり取りが行われ、キャラの関係や心情を知るのに一役買っている。 サブクエストの数々にも専用の移動中会話が用意されていたりと、そのバリエーションは非常に多い。 加えて、これらはイベントシーンではなくゲームプレイの最中に行われるものも多いため、操作や物語を妨げるような事が少ない。 実はこの中に『ヴェルサスXIII』時代に収録したボイスも使われている。 BGMの評価は非常に高い。 『キングダムハーツ』シリーズなど、スクウェアソフト時代から知られる下村陽子氏が今作の作曲を担当。 「Somnus」「APOCALYPSIS NOCTIS」「Valse di Fantastica」など多数の人気曲がある。 中でも「Somnus」は『ヴェルサスXIII』時代で最初に作られたタイトル曲であり、今作を象徴するテーマ曲の一つとなっている。 また、レガリアでの移動中は過去作の人気曲を流せる。ナンバリング以外の曲も収録されており、収録数は全300曲以上にも及ぶ(*4)。 アップデートにより、レガリアに乗っていない時でもこういったBGMを流せるようになった。 各追加エピソードには従来作のアレンジBGMも多く、『NieR RepliCant』の岡部啓一氏が手掛ける「ビッグブリッジの死闘」や、デスゲイズの出現と共に流れる『VI』の「決戦」等、従来作のファンが唸るようなチョイスが行われている。 今作の主なミニゲームといえる「釣り」のクオリティが高い。ドイツの釣り専門誌から取材を受けた他、これを抜粋したPS VR専用ゲームも後に作られた。 ノクティスのスキルレベル、イグニスの料理に関わるだけでなく、専用のサイドクエストまで用意されており、釣り自体がやりこみ要素の1つとして成立している。 釣った魚はギャラリーの図鑑にその体格記録が記録された上で、換金アイテムや食材アイテムとして手に入れられる。 最高難易度に位置づけられる魚は「今作最強の敵」と評されるほどの集中力を要求される。 リアルな料理描写 キャンプで作る料理は非常にリアルに描写されており、実写と見紛うほど。この精巧な料理がキャンプシーンの臨場感を高め、「旅を楽しんでいる」感を高める。 チョコボのアクションが豊富 シリーズお馴染みの乗り物「チョコボ」のアクションがシリーズ中最も豊富であり、従来のようにただ乗って移動するだけでなく、ダッシュ・ジャンプ・ホバリング・ドリフトと自由度が高いものとなっている。 今作はオープンワールドなので、チョコボの子気味良いアクション・操作性が、オープンワールドの広大なフィールドと上手くマッチしているのも高ポイントである。 賛否両論点 男性キャラのみのPT。一時的な離脱こそあるものの、原則的に最初から最後まで固定の4人で旅をすることになる。 独自の雰囲気やノリを表現できてはいるが、男性統一PTはFC版『III』以来なので、必ず女性キャラクターが常駐するようになったそれ以降のシリーズ作品としては異例である。 登場する女性キャラ達が軒並み好評のため、余計に「PTに女性が欲しい」と言う意見が多い(ゲスト参戦する場面があるのも尚更)。 世界に通用するレベルと言われる高度なAI(浜村弘一氏談)。 「この状況に対しては、この行動を取る」ではなく「AI自身が状況を判断し、行動を選択する」というAIが搭載されている。 特に顕著なのは仲間キャラがプレイヤーよりも前を歩くこと。これはプレイヤーが行こうとしている方向をAIが判断し、先んじて行動しているためである。それを逆手に取りフェイントをかけ続けると専用のセリフまで用意されている。 人工知能学会の論文誌にも、今作のAI論文が掲載された。またAIシステム詳細の講演も行われた。 しかし、こと戦闘面では話が違ってくる。人間味を残すためにあえて完全でないものにしているらしいが、比較的仲間自身のガードが甘かったり、銃を使うプロンプトが近距離で戦い返り討ちに合うシーンも多く見られるなど、ゲームとしては爽快感を削ぐ要素となってしまっている。 特にプロンプトは連携中に、ターゲットと自分の間に別のモンスターがいても気にせず射撃するので他のターゲットへ命中したりする。 魔法の使い勝手 今作の魔法は効果自体は非常に強力だが、「魔力を込めた玉を投げる」という手榴弾のような扱いで統一されている。敵を追尾する誘導弾、敵の接近で発動する設置魔法といったバリエーションはなく、使いやすい反面やや淡白な印象を受ける。可燃物バレルがあればファイアで爆発させられる等を行えるが、それができるのはごく一部のエリアのみに限られる。 魔法にアイテムを合成し、連続魔・ケアル・カーズといった様々な効果を付与できるが、基本的な使い勝手は変わらない。ノクティスのみ使用可能な指輪魔法というものがあり、通常魔法とは大きな差異があるが、その使用は終盤~クリア後である。また、魔法は仲間にも当たりその際は文句を言われる。一応、仲間へのダメージはごく僅かで、放つ構えを取ると離れてはくれる。 シンプルで使いやすいのは確かだが、映画では様々な魔法を使い分けていた分、それらが本編で使えないのは悔やまれる。ちなみにDLC「戦友」の魔法システムは、同名でも本編とは全く異なり、本編には登場しない魔法を使用でき、上手く差別化している。 問題点 シナリオ・キャラクター 今作最大の批判点。概ね「説明不足・描写不足・纏まりがない」という評価であり、批判意見の殆どがここに集約されると言っても過言ではない。 + やや長いので折り畳み マルチメディア展開にした事の弊害。 『XV』の物語は、今作の他に「映画:キングスグレイヴ」「アニメ:ブラザーフッド」等を見て、初めて全体が繋がる構成になっている。今作の本編だけでなく、これらも含めての『XV』であり、今作はあくまでも「ノクティスを主人公とした物語」に過ぎない。しかし、このマルチメディア展開を採用したことが、物語の全体像の把握を困難にしており、意欲的な試みではあったものの、決して成功・好評とは言い難い結果になってしまった。 例えば、本編開始前の事柄は「キングスグレイヴ」で、仲間の過去や関係性は「ブラザーフッド」で描かれ、今作ではほとんど描写されない。ルナフレーナ関連も然り。彼女はノクティスに光耀の指輪を渡すことを目的の1つとしているが、何故渡そうとしているのか、そもそも光耀の指輪とは何なのかは、今作ではロード画面の僅かな文章でしか触れられず、「キングスグレイヴ」を観る以外に知る由がない。 それらの完成度・評価自体は決して悪いものではなく、「キングスグレイヴ」に至ってはむしろ高い評価を得ている。しかしマルチメディア展開であるが故に、今作の物語への理解度が視聴したか否かで大きく変わり、やはり上手なやり方だったとは言い難い。未視聴者からは「本編前に何があったのか分からない」「感情移入し辛い」といった声が多数聞かれた。 スタッフは映画については当初は視聴しなくとも問題ないと発言していたが、後に撤回し「やはり必ず観て欲しい」と発言している。 オープンワールドにした事の弊害。 ゲーム序盤で主人公達の祖国が敵対勢力に襲撃され、以降は安否不明・音信不通という、極めてシリアスかつ重大な展開になる。一方で今作のテーマは「旅」であり、メンバー4人の冒険は実にほのぼのとした雰囲気で、時には「ここで写真撮ろうぜ」などの会話すらも入る。祖国が襲撃されて家族や臣下も安否不明の状況下で、このような雰囲気で旅をするのは不自然であり、致命的に物語とマッチしていない。この声は「キングスグレイヴ」の視聴者から特に多く聞かれ、呑気に観光している場合なのかという批評が相次いだ(*5)。 別の意見として、今作のオープンワールドマップを一言で表すなら「アメリカの田舎道」である。マップは主に大自然・舗装された車道・小規模の集落・まばらに点在する遺跡等で構成されており、正にアメリカの田舎の雰囲気である。ノリ的には「モンスターを狩って路銀を稼ぎながら大自然を観光している」という感覚で、イメージソングからして映画「Stand By Me」がモチーフになっている。無論それはそれで悪くないが、従来のような異世界を冒険するという感覚の旅とは大きく異なる他、やはり物語とミスマッチすぎる。 今作はオープンワールドRPGであり、探索やサブクエスト等の寄り道をしながら少しずつ進める、というゲームデザインになっている。しかし、同ジャンルへの親しみが無く、従来通りの「メインストーリーを消化しながらクリアする」という進め方をしたプレイヤーからは、ストーリーが短いという評価をされることもあった。もっとも、メインストーリーだけ消化した場合はボリュームがない、というのは他オープンワールド作品でもよくあることだが。 レベルデザインも数多くの寄り道をする前提となっているようで、旅を楽しむのは後にしてシリアスなメインストーリーを率先して消化しようとすると敵のレベルが加速度的に上昇していく。加えてそういった進め方の場合アビリティ修得のためのAPも稼ぎにくいため、前述した爽快感溢れるアクションも楽しむことができない。結果としてポーションをがぶ飲みしながらひたすらシフトブレイクを繰り返す、爽快感とは無縁な単調でグダグダした戦闘しか知らないプレイヤーを多く生み出してしまったのは惜しいことである。 本編を「ノクティスの物語」に絞ったために、キャラクターの動向・心情や、イベントの繋がり等が把握し辛いものになっている。 上記で若干触れた事だが、この構成にした結果、関連作品に触れなかったりDLC無しで今作の本編をプレイしただけでは「特定キャラの出番・描写が少なすぎる」という印象をほぼ確実に持たれる。 主要パーティメンバー4人のうち、イグニスとプロンプトに関しては本編シナリオ後半での描写不足が目立ち、それぞれの専用エピソードのDLCをプレイしなければキャラの設定や心情などを正確に理解することはできない。 重要キャラであるルナフレーナやレイヴスも同様で、複数のエピソードを上手く繋いでいかないと、動向・心情等はまず把握できないだろう。 その他のキャラに関しても、例えばドラットーは「キングスグレイヴ」の主要キャラだが、今作ではオープニングにしか出番がなく、それも僅か一言の台詞のみ。ヴァーサタイルも序盤では「神凪はよい研究材料だ」と不穏な台詞を残す帝国側の重要キャラとして描写されていたが、本編ではそれっきり出番がなく、補完となるプロンプトのDLCでは深く描写されている。 これと併せた、あるいは別の問題として、「キャラクターの動向・心情の表現がそもそも上手くない」という印象を受ける。 設定などを全て把握したところで、物語そのものが全体的にややトリッキーな展開であるため、万人には受け入れられにくい。 同じ神話体系を使っていた『XIII』シリーズとは逆に、「与えられた運命に殉じる」ためにノクト達が滅びへと向かっていくという流れが肌に合うかどうかが、今作の物語を好めるかどうかの分かれ目であろう。 今作には『XIII』シリーズのオートクリップ、『零式』のクリスタリウムのようなゲーム内辞典や、世界観を示唆する類のテキストアイテムなどが、1年間以上長らく存在していなかった点も、『XV』の物語をより難解にしている。 なお、今作の描写不足などの点は同ライターが手掛けた『ディシディア ファイナルファンタジーNT』にも指摘されている。 繰り返すが、個々の要素は決して悪いものではない。 細部まで作り込まれたオープンワールドは実に美しく、世界観も魅力的、物語も賛否が分かれやすいが悪いものではない。 問題なのは、これらが悪い意味で完璧に絡み合ってしまい、様々な悪印象をプレイヤーに与えてしまったことである。 要は「素材はいいが調理に失敗している」の典型なのである。 オープンワールドとしての問題 自由度の足りない行動範囲。 遠景まで見渡せる素晴らしい描画範囲ではあるものの、マップを隔てる障害物や見えない壁が多く、川を泳いで向こう岸へ、山を越えて反対側へといった行動は不可能になっている。 一例としてリード地方の平原から、ガーディナへと向かう道は小さな崖に囲まれたジグザグの道路を通り雄大な海へと続く作りだが、道路に極近い範囲以外は高い崖と見えない壁に囲まれており、単なる細い一本道と見て差し支えない。 ガーディナも周囲を崖に囲まれており砂浜から極近い距離までしか登れる場所は無い。こういった「ワールドマップや視認範囲」と「実際に行動可能な範囲」との大きなギャップが程度の差こそあれフィールド全域に存在している。 アップデートによりダスカアーチを登る事ができるようになったものの、焼け石に水と言わざるを得ないだろう。 ちなみにゲーム内に実際泳ぐ場面はリヴァイアサン戦のみ。 フィールドの広さに反してキャラクターの足は遅い。レガリアの置けるポイントから目的地までが長いとストレスが溜まりやすい。 なお、このゲームの爽快感の源の1つであるシフトによる高速長距離移動は基本的に戦闘やイベント以外で使えないため、移動の不自由さは単純な不便さ以上に強く感じられてしまう。 一応、発売当日のアップデートにより、非戦闘時でもフィールド移動中に前方へのシフトを行うことが可能となったが、それでもマップシフトなどと比較すると距離がかなり短い為、多少はマシになったという程度である。 作中で町と呼べる箇所はレスタルムとオルティシエだけで、残りは郊外のガソリンスタンドのみ。 その内オルティシエも別エリア扱いとして独立しており、歩き回れる場所もそこまで自由度はない(*6)。 ロイヤルパックを導入すればオルティシエまでクルーザーでシームレスに移動できるようになった。 舞台が一地方であるためか地形やオブジェクトの種類や数も少ない。また全体的に平原のような地形が多いため、平坦で起伏に乏しく、立体的な移動がほぼ無いのでオープンワールドの特徴である探索の楽しみが非常に薄い。 見えない壁の場所はまちまちだが、基本的にこのゲームで歩ける地域は車道周辺+α。 これらの例として最も顕著なのがレスタルム周辺、目前に山や谷の様な起伏に富んだ景色を望むことができるが、実際は街中と街に入るための二本の車道しか踏破できる場所は存在しない。 アップデートにより一部の見えない壁は撤去されたものの、依然として多くの箇所は通れなくなっている。 発売してからしばらくの間、レガリアでは道路等の整備された車道しか走れず、窮屈な状態となっていた。マニュアルドライブでの移動もできるものの、自動車と言うよりは列車のようなハンドル補正が掛かるため評価は芳しくなかった。 2017年6月のアップデートによって、オフロード仕様(Type-D)が追加された事でこの問題は解消される。ただし見えない壁のあるエリアや水場にはこちらでも侵入できず、また一部イベントはオフロード仕様のままでの進行はできない。 条件を満たせば変形によって飛行可能になるものの、離着陸に失敗すると即ゲームオーバーなので、正直使い勝手がかなり悪い。もっとも、飛行形態にするメリットは後述するプティウォス遺跡に行けるのみで、それ以外のメリットは景色を楽しむ程度である。トロフィーも換装した時点で獲得できるため、無理に使う必要ははない(飛行形態の存在意義が疑われるという別の問題があるが)。 ファストトラベルは、マップに記録されたスタンドとレガリアのある地点のみにしか行えない。 レガリアは言わば「移動可能な簡易拠点」という扱いであり、ファストトラベルと車道の走行という、大まかな移動を担当する。 逆に細かな移動はチョコボが担当しており、こちらは移動速度・操作性共に上々で使い勝手が良く、レンタル料も非常に安い。 要はレガリアとチョコボを使い分けるというゲームデザインなのだが、これに気付かないと移動でかなり不便を感じる事となる。 逆を言えば、小回りの利く移動という役割上、「レンタルしない時間」はプレイする上でほとんどなく、この仕様にした意味が薄いとも。 僅かな手間だが定期的にレンタルし直す必要があるため、何らかのイベントでこの手間が不要になるなどの配慮は欲しかったところ。 上記のような仕様からダンジョン攻略や特定のミニゲームに集中する場合を除いて、ゲームプレイ時間の大半が探索にも該当しない純粋な「移動のみ」で時間が消費されやすい。 討伐クエストや写真撮影など昼夜で制限のあるクエストの攻略に支障をきたす場合が多い。特に一旦シナリオクリアするまでは夜の時間がドンドン伸びるため頻繁に遭遇することになる。 ただし、夜間限定の討伐クエストはその受注時のみすぐに夜に移行する事は出来る。 「夜の設定」はシナリオにおいて非常に重要な要素であり必然性自体はあるため、この点もまた「テーマ・設定」と「ゲームシステム」との齟齬から生じた問題と言える。 ロードが長い。 オープンワールドゲームの宿命ではあるが、ゲーム開始、新章開始時には長めのロードを挟む。ファストトラベル時は、距離が離れているほどロードも長くなり、長い時には1分程かかる。 その他ゲームシステム・バランスなどの問題 戦闘中のアイテム使用に関する問題 今作は戦闘中に各種回復アイテムを使用する機会が多いにもかかわらず、アイテム選択関連のインターフェースは洗練されておらず操作性も悪い。 戦闘中に使えるアイテムは20種以上あるのに、リスト上では一度に6種までしか表示されず、カーソルは上下に1段ずつ動かすことしかできないため、アイテム選びにどうしても手間が掛かる。 誰も状態異常に陥っていない時でも「状態異常回復用の各種アイテム」がリストの途中に並んでおり、アイテム選択の邪魔になりやすい。 ただしアイテムの選択中は戦闘の時間経過は止まるので、この操作性の悪さが難易度を不要に上げているわけではない。 「フェニックスの尾」などのアイテムを使う際、そのキャラがアイテムを使う様子をカメラがアップで映す演出が発生する。この演出は時間が長めであり飛ばすこともできず、戦闘のテンポを損ねている。 全体マップに関する問題 車の機能にてパーキングポイントのリストから移動先を選ぶ際、「リスト上で現在選択中のパーキングポイント」と「全体マップ上でのそのパーキングポイントの場所を示すカーソル位置」がことごとくズレているバグがあり、そのパーキングポイントが地図上のどこにあるのかプレイヤーを混乱させる。そのためこの機能を利用せず、全体マップ上でカーソルを動かして移動先を選ぶことになりやすい。 ダンジョンの中には複数の階層に分かれる複雑な構造のものもいくつかあるのだが、ダンジョン内での全体マップは現在居る階層のものしか表示されないため、いまいち全体の構造を把握しにくく不便。 クエストに関して 長らく討伐依頼は一つずつしか受注できず、受注・完了は依頼所でしか行えないため、数をこなすには大きな手間が掛かっていた。序盤の金策はこれに頼る部分も大きく、達成後にファストトラベルで戻ろうにも、後述のロード時間の関係で不便な仕様となっていた。17年11月のアップデートで複数を受注可能になり改善されたが、発売から約一年後の対応だったため、もっと早く改善を…との声も。 QTEの存在。 数こそ多くはないが、批判的意見の多いQTEが一部登場する。即ゲームオーバーにはならないが逆にボタンを押しても押さなくても演出は変わらないと言う、意味の無いQTEが多々存在するため。 + シナリオ終盤について。(ネタバレ注意) 13章の完成度の低さ。 端的に言えば、長いダンジョンで縛りプレイを強要される仕様となっている。 武器を使用できず、特殊な魔法のみを使い、パーティーを分断されノクティス1人で攻略する必要があると言う中々厳しいもの。 ある程度進めると武器も仲間も戻ってくるが、道中はホラーゲームのような演出も多く、ストレスが溜まりやすい要因となっている。 勿論、「主人公の危機的状況」「仲間が少しずつ合流してくる」といった演出・要素は、他RPGにも散見されるものであり、一概には問題点とは言えない。最大の批判点はやはり「長すぎる」ことである。 ステージそのものも『BIOHAZARD』と評される程無駄にホラー要素が強く、『FF』の作風に全くそぐわないと批判が多かった また、敵国のトップがこれと言った説明もなしに死亡(シガイ化)しているなど、シナリオ面でも相変わらずの説明不足である。 特定箇所にて、あるキャラクターの設定に関する重大な秘密が語られ始めるのだが、その台詞の途中でプレイヤーが付近の資料を調べると、肝心の台詞の続きが語られなくなってしまうという仕様上の欠陥がある。この現象が起こる可能性は割と高く、本来その時点で明かされるはずのキャラクター設定をプレイヤーが知ることなくゲームを先に進めてしまうことが十分に起こり得る。少し後の展開で本来よりも遅れてその設定を知ることはできるが、その場合はより唐突な展開に感じられてしまう。 2017/3/27のアップデートにより、魔法の性能改善・ノクティスではなくグラディオラス側の視点で進行できるルート選択の追加・シナリオ演出の強化がなされ、問題がある程度緩和された。 グラディオラスルートでは普段と近い感覚でプレイでき、シナリオの描写も増えた。とはいえストーリー全体を回収するにはノクティスルートのプレイも依然として必要であり、周回前提となる。初回プレイでは主人公であるノクティスルートで進行するプレイヤーが大半と考えられ、グラディオラスルートはノクティスルートを一度終えた後の補完という趣向が強い。 ノクティスルートの道中が長すぎる問題が未改善である点に加え、PS4版プレイヤーの多くがアップデート前の時点でプレイ済みであるため、このアップデートでも13章の悪評を大きく覆すほどには至っていない。 シナリオのラストも色々謎が残る展開となっており、歯切れの悪さを感じたプレーヤーは多い。 このような部分は過去作ではアルティマニアでの補足があったりしたのだが、今作のアルティマニアでのインタビューにはラストの展開について「ご想像に任せる」と表記されていた。 その後、今作は追加エピソードでの補完などを予定することになった。 + クリア後の隠しダンジョン プティウォス遺跡 通常のRPGにおける隠しダンジョンに期待するものと言えば、通常の個体を遥かに凌駕する雑魚モンスターや強い隠しボスなのだが、今作の隠しダンジョンはそんな常識とはかけ離れたものになっている。 そういったものは全て、既存ダンジョンの隠しフロアに関連するサブクエストなどの要素として用意されている。隠しフロアが99階層続いて本編では出てこないような強敵を倒しながら進むダンジョンがあったり、「隠しダンジョン」にこだわらなければRPGの王道らしい楽しみ方ができるエンドコンテンツはいくらでもあるのだが。 トロフィーの取得対象になってる隠しボスは、HPこそ圧倒的な高さを誇るものの戦闘能力はそこまで高くない。この隠しボスを倒して「最強のモンスターを倒した」と思い込んで、その弱さに不満を抱えたままゲームを卒業するケースも少なくない。 今作でクリア後・かつ飛行艇で行けるようになる隠しダンジョンは、一切の敵が出現せず、ノクト一人でジャンプを駆使して道を進むアクションステージとなっている。落下や罠によるゲームオーバーはないが、特定ポイントに戻される他、途中2Dスクロールアクションのようになる箇所もあるため非常に難易度が高い。 ダンジョンは暗い上に長く、謎解きもあるのでクリアまで初見で3~4時間はかかる。しかもセーブポイントはダンジョン外にしかない(シビアな飛行の後にセーブできるのが救い)上、ダンジョン内ではシフト移動も使えない。そして何より、決して精度の高くない『XV』のジャンプでアスレチックアクションをやるのは結構なストレスになる。 ダンジョン内は何の説明もなしにノクト一人で進むことになり、ノクトも「何なんだよ!?」「意味わかんねえ!」等と独り言を言う。もしかしたら本作で最も主人公とプレイヤーの心情が一致する場面かもしれない。 ちなみにこのダンジョンをクリアせずとも、トロフィー/実績のコンプリートには一切影響しない。終点では強力なアクセサリが拾える他、道中で大量の記念硬貨も獲得できる。正に苦行とも言えるダンジョンだが、その分クリアした際の見返りは大きい。 バグ 当初の家庭版では視覚的に面白いバグが多発しており、各所でネタにされることになった(チョコボに直立騎乗する、増殖する仲間など)。 もちろん、そればかりではなく、地形にハマり動けなくなる、光源の異常発光やフリーズなど、ゲームプレイに支障が出る有害なバグも存在した。 なお、かつては「修正するもアップデート追加イベントで別のバグが発生」などということもあったが、アップデートを重ねた現在では、普通にプレイする分には何ら問題のない範疇に落ち着いている。 だが、最終ver.である1.30(*7)においては有志によって多くのバグが発見されている。ゲームを有利にするものだったり、面白おかしいバグがあったりする。過去にあったバグは形を変えて残っている。どのバグにおいても意図的でやらないと発生しない。 総評 「旅」というテーマを掲げているだけあり、火山の天辺から地下坑道の奥深くまでシームレスに移動できる秀麗なフィールド、車での移動、料理に宿泊・キャンプ、写真や釣りといった様々な要素が旅情を感じさせる。 グラフィック・BGM・アクション・モーションなど、シナリオ面以外はいずれも概ね高水準であり、リッチなゲーム体験を得ることができるだろう。 累計出荷本数は『VII』『VIII』に次ぎシリーズ3番目に多い890万本を記録し、平均ユーザースコアは7.6と一定の評価を得ている。 しかしながら難産な作品ゆえに欠点も多く、特にシナリオが今作のテーマと噛み合っていない点に批判が集中。 また、前日談のアニメ・映画などの幅広いメディア展開を行ったことで、本作のストーリーを楽しむには様々な媒体でのコンテンツを網羅することが必要となってしまう。 結果として、本編のみではキャラクターなどの掘り下げが不十分になってしまったことも否めない。 後半のリニアパートのテコ入れを始めとするアップデート配信も多数実施され、様々な機能の実装・イベントの追加などが行われたが、当初の評価を大きく覆すには至らなかった。 特に日本国内ではバグシーンがネットで拡散されたことで未プレイユーザーへも悪い印象を与えてしまった。 上記の批判点やシリーズ中でもかなり尖った作風のために万人にオススメできるとは言い難い。しかしシリーズ初の試みも多くやり込み要素も豊富なので、シリーズの中でも長く遊ぶことのできる作品であるとは言い切れるだろう。 余談 ここまで読んでわかる通り、今作は最初の構想発表から10年後、CS版発売から実に1年強たった今までDLCを含むアップデートにより全面的な要素とシーン追加や改善を図る方針をとることになったなど、想像を絶する難産だったことは明白である(*8)。 『ヴェルサスXIII』時代に発表されたPVは元より、『XV』に改題した後から発表されたPVであっても場面が製品版になったら劣化したといった些細なものから、PVに登場したシーンやセリフがまるごと登場しないといったことが指摘され、PV詐欺であると批判された。 かつて『XIII』でも同様の指摘を受けており、スクエニの悪い面であると認識されている。 + 『ヴェルサスXIII』時代の映像 + エンディングに関するネタバレ エンディングにおけるノクトの「とある台詞」は、今作を代表する台詞の1つとして様々な意味で話題となった。 ただし、否定派からは作品を馬鹿にする意図で多用されていた台詞であり、今作のファンからはかなりの反感を買うので、ネタとして安易に使用する事は控えて欲しい。 評価点に書かれている料理の描写について、発売延期時のインタビューで「CG的にリヴァイアサンと同じスペックに」と語られた事について、発売前に物議を醸した。 「無駄な事に労力を費やすから発売延期になるのだ」等と批判されたが、実際には料理は作中の臨場感を増すのに大きく貢献しており、全く無駄ではない。 また、「リヴァイアサンと同じ 容量 」と言うデマも流布されたが、原文は上記の通りであり、容量が同じとは一言も言われていない。 発売日の1週間前にドバイのプレイヤーがフラゲ配信をした(*9)ことが大きな話題になった。 流通事情で早めに手に入る事自体は珍しくないが、ネットで全世界へ発信できる現代の問題として非常に考えさせられる1件であった。 その後発売3日ほど前になり何故か日本のみ発売日まで配信が制限されたが、海外はそのままだった模様。 『零式』のHD版に、今作の特別体験版「エピソードダスカ」をDLできるプロダクトコードが同梱されていた。現在は配信を終了している。 後にVer2.0へとアップデートされたのだが、体験版のアップデートはSIE(*10)にとっても初の事例であったという。 ファミ通アワード2016で主人公であるノクト役の鈴木氏が「男性キャラクターボイス賞」を受賞。 プレイステーションアワード2017において、アジア地域(日本含む)で100万本以上売れたソフトとして、今作は「Platinum Prize」賞を取った。 2020年2月29日にNHKにて放送された「全ファイナルファンタジー大投票」では、事前に投票を受け付けていたシリーズ57作品中で10位であった。 得票数の女性率が7割にのぼり、これは6割ほどの女性票を獲得した『IX』を抑えてもっとも女性票を獲得したシリーズとなる。 今作の開発チームは、レガリアの飛行機能を実装するに当たって『Just Cause 3』の開発元で、スクウェア・エニックス傘下であるアバランチスタジオとの技術コラボを行なっている。 2021年6月22日にスクエニのテクノロジー推進部リードAIリサーチャーである三宅陽一郎氏が、今作のにおけるAIの実例を基にした論文で「2020年度人工知能学会論文賞(JSAI Best Paper Award 2020)」を受賞した。 また同発表によると、「本論文により接点を与えられた読者がゲーム開発に貢献する可能性が高い」等といった点が高く評価され、「ゲームAIに関する記念碑的論文になり得る内容」として受賞に至ったとのこと。 移植・関連作品・タイアップなど 2018年3月7日にWin版『ファイナルファンタジーXV WINDOWS EDITION』が発売。販売ストアはMicrosoft Store/Steam/Originの3か所。 『ロイヤルエディション』の高画質対応版といった内容で、環境さえ揃えば最大8K+HDR10による高画質でプレイできるほか、MOD/ユーザークリエイト要素への対応を予定していたが、上述したDLC展開中止に伴い、こちらの拡張も取りやめになった。 2018年2月9日には各種スマートフォン向け移植版『FINAL FANTASY XV POCKET EDITION』が配信。独自にデフォルメされたキャラデザインや簡略化されたサイドクエストなど、スマートフォンの領分内で本編ストーリーに重点を置いたアレンジ移植となっている。 2018年9月7日にはPS4/Oneで、9月14日にSwitchにてHD版がDL専売で配信された。ナンバリングでは『VI』以来となる任天堂ハードでの発売となる。 2018年12月13日には『FFXIV』とのコラボクエスト「異世界の冒険者」が無料アップデートとして配信された。ゲーム内の演出にも『XIV』由来のものが取り入れられている。 翌2019年には『XIV』側で『XV』とのコラボイベント「英雄への夜想曲」が実施。2021年にも再演された。 『DISSIDIA』や『シアトリズム』といった『FF』シリーズを集めたオールスターゲーム等にも順次参戦している他、『XV』のみを題材にしたスマホゲームも配信されている。 今作自体も、世界観内(FFXV UNIVERSE)での作中作として他のゲームを取り込む試みをしている。スマホ用ゲームである『JUSTICE MONSTERS FIVE』をミニゲームとして収録する他、ノクティスとプロンプトが『キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-』について言及する点がそれに当たる。 他社からのタイアップ要素を多く取り込んでいる今作だが、逆に他社作品へのコラボ参加も数少ないながら行われている。 2017年8月2日、One版の『XV』もしくは『Forza Horizon 3』を所持するユーザーには無料DLCとしてレガリアを『Forza Horizon 3』でも乗り回すことができると言う特典がある。 『Forza Horizon 3』の既存プレイヤーでは「何の告知もなしにガレージに追加されていた」なんて報告も。一方、『Forza Horizon 3』未プレイの『XV』プレイヤーにはDLコードが配布された模様である。 ForzaVistaモードでも、ボンネットやドア、屋根の開閉など独特なギミックが再現されている。 後に『Forza Horizon 4』でも期間限定のチャレンジにおける賞品として登場し、さらに別形態となる「Type-D」も登場している。 バンダイナムコの『鉄拳』シリーズにて、家庭用版『鉄拳7』の3人目のDLCキャラクターとしてノクティスが参戦。2018年3月20日より配信開始(*11)。 ハンマーヘッドステージが同梱されており、イグニス・グラディオ・プロンプトの3人や、チョコボ・シドニー・シドはこのステージの背景に登場。DLCのミニゲーム「Ultimate TEKKEN BOWL」をノクティスでプレイする際も、イグニス・グラディオ・プロンプトの3人がギャラリーとして賑やかしてくれる。 『XV』での各衣装も別コスチュームとして使用可能。 その後、2019年2月13日に稼働開始した『鉄拳7 FATED RETRIBUTION ROUND 2』にて、アーケード版でもノクティスが使用可能となった。 レベルファイブのアプリゲーム『妖怪ウォッチぷにぷに』でもノクティスが実装されている(*12)。期限内のログインボーナスで無料で入手。最初はSランクだが、ガチャの低確率で入手できる父王の剣と合成すればZランクのPS(ファントムソード)ノクティスへ進化出来る。現在は入手不可。 NHN×ドワンゴの共同開発したリアルタイムオンライン対戦ゲーム『#コンパス 戦闘摂理解析システム』にノクティスが参戦。初のスクウェア・エニックス枠で『鉄拳7』から一年ぶりの他作品コラボとなる。『XV』についての話題とゲームが再燃した(バグも含めて)。 ゲーム関連のグッズとしてはおそらく最高額と言えるであろう製品がある。それがこちら。 コンセプトブック(カタログのような物)の配布キャンペーン(Twitter上で30名限定)などがあった(製作費は1冊あたり約10万円だそう)。 この車両は、2019年1月11日~13日に幕張メッセで開催された“東京オートサロン2019”で展示された他、特設サイトで1月11日~20日12:00~20日10:00にオークションが開催された(参照)(落札済み)。 少なくとも6000万円以上で落札されたのは確実(終了1日前の時点で突破していた為)らしいが、詳細な金額は不明。 発売当初は、最近の他のゲームのように、流通形態ごとに付属する特典があったり、豪華版パッケージなどがあった。 この内、セブンイレブンのものは主人公の父親たちが若いころをモチーフにしたミニゲームと、ノクトのラバーストラップが付くなど他よりやや豪華なものであった(*13)。 日清食品のカップヌードルでは、今作のPVにMODを使用した映像を使ったCM、および15種類のカップヌードルと専用のおまけ等をプレゼントする企画などがあった。 このころ、様々なコラボをやっていたカップヌードルだが、他のものでは配布ではなく特装版パッケージの販売であったのに対し、こちらは抽選で無料配布という差があった。 後に、このときに使用された(と思われる3Dモデルを使用した)アイテムが、実際にゲーム内で使用できる形で追加された。 2018年放送のアニメ『ポプテピピック』にて、ノクティスと思わしき今作のキャラクターが出演している。 これを受けてか、2019年放送のテレビスペシャルでは公式に映像を提供するという斜め上なコラボが行われた。 さらに2022年から放送のTVシリーズ第2期では全面協力として『FF』を含めたスクエニ作品とのコラボが行われている。 その後の展開 後継作品・続編 2018年3月27日に『XV』を手掛けたスタッフが主導となる開発スタジオ「Luminous Productions」が発足、COO兼スタジオヘッドには今作のディレクターである田畑端氏が就任した。 しかし、その田畑氏は同年10月31日にLuminous Productions及びスクウェア・エニックスから退職。独立後の同年12月3日には株式会社「JP GAMES」を設立し代表取締役に就任する。 その一方で、2020年6月12日にはLuminous Productionsが開発する完全新規IPとなる「PROJECT ATHIA」が発表、2021年3月19日には正式タイトルが『FORSPOKEN』であると同時にジャンルがオープンワールドのアクションRPGであることが発表された。 対応機種はPS5/Winで、2回の延期があったものの2023年1月24日に発売された。しかし、その約4ヶ月後の同年5月1日に開発元のLuminous Productionsはスクエニに吸収合併され消滅してしまった(参照)。 2020年9月17日にシリーズナンバリング最新作『ファイナルファンタジーXVI』が発表された。 『VII』以降のシリーズ作品で主流だった「現代文明を基軸にしたスチームパンク風のファンタジー世界」とは異なり、『XVI』はシリーズ初期作や『IX』『XII』のような中世ヨーロッパのファンタジーをモチーフにした「シリーズの原点回帰」と言える世界観となっている。 一方で、本作以上にスタイリッシュなアクションや、過去のナンバリングタイトルでは見られないような激しい流血描写が確認でき、レーティングはナンバリングシリーズでは初となるCERO D(17歳以上対象)となっている。 プロデューサーは『XIV』の吉田直樹氏が、ディレクターも『XIV』の髙井浩氏が担当していると明かされた。対応機種は次世代機であるPS5で、2023年6月22日に延期もせずに発売された。 『XV』での過剰な宣伝の反動か、本作では比較してあまり宣伝が行われないなど地味なものとなっている。
https://w.atwiki.jp/xboxonescore/pages/122.html
ファイナルファンタジー零式 HD 項目数:49 総ポイント:1000 難易度:★☆☆☆☆ 日本、欧州、アジア(中香台韓)、その他地域(北米を含む)で別実績。 ゲーム自体は複数周回前提の作りとなっているが、実績は1周で全取得可能。 飛空挺だけは取り逃すともう1周する羽目になるので注意が必要。 FINAL FANTASY 零式 Wiki http //wikiwiki.jp/ff0/ クリア報酬やアイテムの入手条件が違うものが多々あるので注意。 損害なしの証 0組メンバーを誰も死なせずに作戦をクリアした 30 ファントマの謎 ファントマ100個獲得した 15 ファントマの秘密 ファントマ500個獲得した 15 絶命のコツ キルサイトで敵を20体撃破した 15 絶命の極意 キルサイトで敵を100体撃破した 30 100体撃破! 敵を100体撃破した 15 300体撃破! 敵を300体撃破した 30 皇国の敵 皇国兵を20体撃破した 15 皇国の仇敵 皇国兵を100体撃破した 15 アレシアの試練 S.O.を成功した 15 WMデビュー エンカウントバトルに初めて勝利した 15 WMウイナー エンカウントバトルに50回勝利した 15 初級作戦遂行者 作戦を3回クリアした 15 上級作戦遂行者 作戦を15回クリアした 15 裁かれざる者 S.O.失敗のペナルティを初めて回避した 30 記憶を集めし者 ノーウィングタグを5個獲得した 15 存在を集めし者 ノーウィングタグを25個獲得した 15 空飛ぶ0組 飛空艇を入手した 15 チョコボ初心者 いずれかのチョコボを初めて捕獲した 15 チョコボ上級者 いずれかのチョコボを30羽捕獲した 30 チョコボ育成者 チョコボ牧場でチョコボを5羽受け取った 15 チョコボ熟練者 チョコボ牧場でチョコボを100羽受け取った 30 特訓始めました 初めての秘密特訓を成功させた 15 努力の積み重ね 模擬戦闘で敵を累計20体撃破した 15 努力が実を結ぶ刻 模擬戦闘で敵を累計100体撃破した 15 解放者 元朱雀領だった町を全て解放して訪れた 15 学生生活 もぐりんの授業を受けた 15 モグと仲良し 全クラスのモーグリと話をした 15 絶好調チーム 戦意MAXのメンバーだけで作戦をクリアした 15 巻き添え成功 燃料タンクの爆発に巻き込んで敵を撃破した 15 尋問ビギナー 降伏した兵士3人に話しかけた 15 尋問エキスパート 降伏した兵士15人に話しかけた 15 秘密の実績 開戦の日 第一章【開戦、運命の3時間】をクリアした 15 反撃の狼煙 第二章【朱雀の旗が立つとき】をクリアした 15 帝都侵入 第三章【大量破壊兵器の時代】をクリアした 15 偽りの罪状 第四章【最後の女王、烏有に帰す】をクリアした 15 大空の勝利 第五章【第一次ジュデッカ会戦】をクリアした 15 禁断の軍神 第六章【死の大地 カリヤの決断】をクリアした 15 皇国倒れる 第七章【クリスタルの興亡~終わりなき戦い】をクリアした 30 螺旋の終焉 最終章【フィニスという判決】をクリアした 80 一騎当千の証 リザルトで一騎当千ボーナスを獲得した 80 孤軍奮闘の証 リザルトで孤軍奮闘ボーナスを獲得した 30 少数精鋭の証 リザルトで少数精鋭ボーナスを獲得した 15 最高ランクの証 リザルトでSランクを獲得した 15 軍神を解放せし者 いずれかの軍神を初めて解放した 15 軍神を集めし者 いずれかの軍神を6体解放した 15 WMチャンピオン エンカウントバトルを5回継続して戦闘に勝利した 30 避け続ける者 回避を500回行った 15 空中戦の極意 飛空艇で敵を50体撃破した 15 ●チョコボ初心者 ●チョコボ上級者 チョコボはチョコボに乗った状態でも捕まえることが出来るので、チョコボに乗って捕まえにいくほうが徒歩で捕まえにいくよりも簡単。 ●解放者 ルブルム地方(マクタイ・アクヴィ・コルシ) イスカ地方(イスカ・ロコル) トゴレス地方(ギザイア) 北トゴレス地方(ミィコウ) メロエ地方(メロエ) エイボン地方(トグア) ●モグと仲良し 正面ゲート 6組 噴水広場 1組 飛空艇発着所 4組、10組 エントランス 5組、8組 クリスタリウム 9組 軍令部第二作戦課 2組 武装第六研究所 11組 リフレッシュルーム 12組 サロン 7組 テラス 3組
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3969.html
ファイナルファンタジーIX 【ふぁいなるふぁんたじーないん】 ジャンル RPG 対応機種 プレイステーションWindows 7~10 (Steam)プレイステーション4Nintendo SwitchXbox OneWindows 10 (Microsoft Store) メディア 【PS】CD-ROM 4枚組【Win/PS4/Switch/One】ダウンロード専売 発売・開発元 【PS】スクウェア【Win/PS4/Switch/One】スクウェア・エニックス 発売日 【PS】2000年7月7日【Steam】2016年4月14日【PS4】2017年9月19日【MS Store/Switch】2019年2月14日 定価 【PS】7,800円(税抜)【Win/PS4/Switch/One】2,547円(税10%込) プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象)(*1) 廉価版 アルティメットヒッツ 2006年7月20日/2,625円 配信 ゲームアーカイブス 2010年5月20日/1,500円 判定 良作 ポイント 世界観は良くも悪くも原点回帰ただし戦闘面の調整は大味明快で爽快なストーリーデフォルメされた温かみある世界観 ファイナルファンタジーシリーズ 概要 ゲームシステム 評価点 賛否両論点 問題点 ゲームシステム カードゲーム その他 総評 余談 移植 概要 『ファイナルファンタジー』シリーズの第9作。「原点回帰」と「生命讃歌」をテーマとしている。 機械文明や階級社会といった近現代的要素が『VI』~『VIII』にかけて次第に強まっていたのに対し、今作では再び『V』までのような中世ヨーロッパ的なファンタジー路線の世界観に回帰した。 ゲームシステムも、大胆な革新路線をとった前作とは逆にきわめて保守的な王道路線に戻っている。 3頭身の「ちびキャラ」風のポリゴンモデルが登場し、世界観やキャラクターデザイン含め、デフォルメの効いた可愛らしいデザインワークで統一されている また、原点回帰の名の通り、本作ではイメージイラストを『VI』以来となる天野喜孝氏が全面的に担当しており、旧作に登場した地名やキャラクター名が登場する、旧作の音楽がアレンジされて使われるなど、旧作プレイ者へのファンサービス的要素も多い。 メインキャラクターデザインは「ストリートファイターII MOVIE」「新機動戦記ガンダムW」で有名になったアニメーター、村瀬修功氏が務めた。 村瀬氏は単純なデザイン作業のみならず、サブのデザイナーが描き上げたデザイン原案を微調整したり、更にはキャラクターの性格等の突っ込んだ設定を構築した。 音楽は前作までに引き続き植松伸夫氏が担当。氏が単独で全曲作曲を担当した最後のタイトルである。 ゲームシステム 『VIII』がそのゲームシステムの複雑さにより賛否を招いた反動からか、今作のシステムは全体的にシンプルで分かりやすくなっている。 装備品からアビリティを習得するシステムは、「装備したまま戦闘に勝利し、アビリティポイントを溜めて習得」という、『VI』の「魔石」のシステムに近いきわめてシンプルなもの。 本作のアビリティは黒魔法や剣技など戦闘中に発動できるアクションアビリティと、キャラクターごとに定められた魔石力を消費して個別に着脱するサポートアビリティの二つに分かれている。 ヘルプ機能 メニュー画面でセレクトボタンを押すと、現在カーソルを合わせている項目の解説が表示され、モーグリが解説してくれる。 解説だけでなく小ネタが混じっていることも多い。 フィールアイコン 落ちているアイテムや看板や宝箱などに近づくと、操作キャラクターの頭上にアイコンが出現、その状態で○ボタンか□ボタンを押すとアイテムの取得や看板の閲覧などの行動をとることができるというシステム。 合成 2つの装備品を各地の専門店「合成屋」で合成することで、新たな装備品を入手できる新システム。 特定のアイテムとギルさえあればすぐに作ってもらうことが出来る。ただし値段は少しお高め。 素材となるアイテムには終盤では手に入らなかったり一点もののアイテムもあるため、無計画に合成していると後で泣きを見ることもある。ネタバレ防止のために詳細は伏せるが、最終盤の合成屋のラインナップは特に注意が必要。 戦闘システム 従来通りATBを採用している。そこに新要素としてトランスシステムが搭載された。 バトルメンバー数 『VII』や『VIII』では、一度の戦闘に参加できるキャラは最大3名までだったが、本作では『VI』以前の作品と同様、4名まで同時に戦闘に参加できる。 トランス キャラごとに存在するトランスゲージが満タンになると、自動的にそのキャラが強化された「トランス状態」になる。 トランスゲージは敵の攻撃を食らうと蓄積される。被ダメージ0でもゲージは増加し、特定のアビリティをセットすれば増加量を固定出来るので調整も利く。 トランス状態のときはキャラの外見が変化し、パラメーターが大幅にアップ。他にも上位の技に変化したり、コマンド自体が独自の物になるなどキャラによって異なる強化がされ、全体的に演出がド派手になる。 トランス中は行動する(コマンドを実行する)ごとに減少していき、ゲージが無くなると通常状態に戻る。トランス中に戦闘が終了しても、トランスゲージはゼロになる。 原点回帰ということからか、V以降の作品に比べてコマンドの性能などは控えめで地味。 『V』~『VII』の「みだれうち」などのように一度に連続攻撃できるものはない(強いて言えば「W白魔法」や「W黒魔法」が該当する)。 上記に加えて『VIII』のように5桁を越えるダメージを叩き出せる攻撃方法もなく、1ターンに与えられる最大ダメージは基本的に9999ダメージまでとなっている。敵のHPも隠しボスですらあまり多くないなど全体的に数値がデフレしており、過去作と比べると爽快感に欠けるとの声も。 行動の際に、スロットなどの何らかのミニゲームや特殊な操作が要求されるコマンドもない。 大味な要素をなくしてゲームバランスを丸くした、と好意的に捉えることもできる。 やり込み要素 ミニゲーム 前作に引き続きカードゲームがある。本作独自の内容になっており、前作のようにカードを有用なアイテムに変えるなどの要素はなく対戦と収集に特化した、よりミニゲームとしてのカラーが強くなったものとなっている。 後にプレイオンラインでも全く同じルールのゲームが実装され、好評を博したことからも完成度の高さが窺われる(*2)。 そのほかにも「なわとび」「かけっこ」のようなおまけミニゲームや、「チャンバラ」「だるまさんがころんだ」などの必須ミニゲームなど多岐にわたる。 ラストダンジョンのある場所にプレイ時間12時間以内に着くと、最強の剣「エクスカリバーII」が手に入る要素がある。 普通にプレイしていては間に合うわけがない。さりとて、意識してプレイすれば特に厳しすぎるタイムというわけでもない。「最強の剣が欲しい」と思った非やりこみプレイヤーにタイムアタックを強いる程度の難易度。 操作キャラ以外のキャラ等の様子を見ることのできる「ATE(アクティブタイムイベント)」も数多く用意されている。中にはプレイヤーの行動により展開が変わるものも。 評価点 ストーリー・キャラクター 親しみやすいキャラクターが織りなす、笑いあり涙ありの明快なストーリーは多くのファンを獲得した。 ビビやジタンなどほのぼのとしていながら悲劇的な運命を背負ったキャラから、スタイナーやフライヤなど自身の境遇や生き様に悩む大人まで、多彩なキャラクターが登場する。 キャラクター達のビジュアルはバラエティ豊かで、パーティーメンバーにもいわゆる「亜人」型が半数。バトルでの実用性にも左右はされるが、どのキャラも「使ってみたい」と思わせる魅力がある。 前2作のリアル頭身でシリアスな内面描写を伴うキャラづくりとは大きく異なる方向性だが、各キャラがとても丁寧に描かれており、本作の人気を支える一因になっている。 ストーリーは、「命」や「仲間」を正面から描いている。過去のFFで取りざたされてきた「自己犠牲」というテーマとは方向性の異なる重厚なテーマで、哲学的な問いかけも豊富に内包しているが、難解な表現は用いられず明快なものとなっている。 重厚なテーマを扱う一方、軽妙で肩の力を抜いて楽しめる部分も多く、全体として重すぎず軽すぎずの絶妙なバランスになっている。 ハッピーエンドと悲哀とが絶妙に同居したエンディングは、流れるテーマソング『Melodies of Life』とともに高い評価を受けている。 先述の「ATE」により登場人物の様々な面を見ることができるが多くの場合必須ではなく、本筋ストーリー以外でのキャラクターとしての奥行きを適度に持たせることに成功している。 世界観 3Dとなった『VII』以降のナンバリング作品で唯一の、絵本のような柔らかみを帯びたファンタジー的世界観は作り込みが濃密で、今なお根強いファンを有し愛され続けている。 本作の登場キャラクターは、メインキャラやサブキャラなどシナリオに関わるキャラのみならず、街を歩くモブに至るまでほぼ全員に固有名が設定され、その個性が細かく設定されており、本作の特筆点。 会話内容や行動がシナリオ進行に伴って頻繁に変わるため生活感がよく醸しだされており、またマップを歩くだけでもパーティキャラとモブキャラが相互に反応を見せる演出が豊富に盛り込まれている(*3)。 本作の世界には、動物を擬人化したようないわゆる「亜人」も、差別などなく普通に暮らしている。 亜人はゲーム中のポリゴンモデルの頭身が低いこともあり一歩間違えれば「幼稚」とされかねないデザインだが、その生活と行動が細やかに描かれ、また冒頭から一貫して描かれ続けることで世界全体との調和がとられている。 世界にも調べられる場所が非常に多く、細かい部分にまでフィールアイコンによる反応がみられ、ここでも世界とキャラとの相互反応による世界観構築に成功している。 豊かな世界には、思わず笑ってしまうような小ネタもふんだんに盛り込まれている。 例えば領土同士を結ぶゲートの空がとある期間だけ虹がかかったりするというファンタジー演出や、泉にギルを投げ込み続けるとそこでしかとれないアイテムが手に入り、さらに投げ込みつづけると街の貧民が「金を拾ってためた」といいカードゲームで使用するカードが強力になったりする…など妙にリアルな描写まで、世界をくまなく探索したいと思わせる設計。 グラフィック PS2ソフトに匹敵するともいわれた、美麗なグラフィック・ムービーもまた本作を語る上で欠かせない要素である。 「絵自体は写真のように綺麗だが、どこからどこまでが通路で自分がどこにいるかわかりにくい」という『VII』以降で指摘されていた問題も、通路と背景でスクロールスピードを変える、セレクトボタンで操作キャラの位置を示すアイコンを表示出来る等で改善された。 フィールアイコンシステムの導入により、前作・前々作の「どこを調べられるかがわかりづらい」という欠点も解消されている。 音楽 植松伸夫氏によるBGM群は本作においても名曲が多く、「この刃にかけて」「あの丘を越えて」「独りじゃない」などといったシリーズ中でも高い人気を誇る曲を数多く輩出している。 通常の戦闘BGMには『VI』までのイントロが復活する、過去作の複数の楽曲がアレンジされて登場するなど、過去作品のファンを喜ばせるサービスも見られる。 やり込み要素 「ここほれ!チョコボ」やチョコグラフの宝箱探しなどのミニゲームも豊富。 本編や育成へのメリットを享受するのにひと手間必要だった前作のカードゲームと違い、ゲーム自体で景品がもらえるという明確なメリットがあるため、プレイの意義が大きい。 1回60ギルと有料だが、発掘アイテムで頻繁に200ギルが出てくるので実質掘り放題に近い。 前述のATE等、一周だけで全てのイベントを見ることは不可能な、ちょっとした周回前提の要素もある。 ただし、寄り道要素におけるやりこみ要素は豊富であるが、育成面におけるやり込み要素は非常に少ない(後述)。 その他 前2作でシステムが難解だったとする声に呼応してか、今作の育成の基本システムは「装備品を装備し、勝利することでポイントをため、その装備品ごとのアビリティを習得する」という、非常にシンプルなものとなっている。 といっても、「最強装備だけつけていれば良い」というほど単純ではなく、お古となった装備や本流ではない特殊な装備をアビリティ習得のために使用できる、属性の耐性や強化の要素があるなど、装備の選択や育成にある程度の戦略性は担保されている。 典型的な装備品がビビの「八角棒」。パワーは中盤までの武器だが、装備するだけで相手の水属性と風属性のダメージを回復効果に変換するコンバート効果を発揮する。終盤戦で相手の放つ全体魔法を回復に逆用できるのは大きい。 また装備することで常時効果を発揮するアビリティに必要な『魔導石』の限界により装備可能アビリティ数の制約があり、アビリティ選択にもある程度の工夫が求められる。 賛否両論点 ATBの大味な仕様 アクティブタイムバトルのキモである時間経過の設定が極端である。 魔法や技のモーション中にもバトル時間が経過する仕様で、なおかつ今作の行動には長い演出を伴うものが多い。この仕様は戦略の要素の一つとして組み込める一方、あまり考えずにバトルをするとATBが形骸化しやすい。 バトル時間経過中に補助魔法の効果が常に発揮される点は、特に賛否を招いている。 戦闘中に一定周期でHPを自動回復する魔法「リジェネ」やその効果を常時発動するアビリティ「いつでもリジェネ」を使った状態で演出の長い行動をとると、パラメータ次第ではかなりのHPをノーリスクで回復できてしまう。 逆に、物理防御力を一時的に上げる「プロテス」のような時間制限のある補助魔法は、演出の間に効果が切れやすく、やや使いづらくなっている。 この仕様を理解したうえで、かつウィンドウの開閉によって時間経過の停止を操れる設定にすれば、「単体出現した敵の行動時はウインドウを閉じてこちらのATBゲージを貯め、かつ味方の行動時はウィンドウを開いておき敵のゲージ貯めを抑える」という戦略として行使できる。 ただし、特に考えないでプレイする人の場合「誰か1人でも演出の長い行動をとると、それが終了するまでに他の敵味方全員のATBゲージが満タンになり、全員が順番待ちで行動する」ことになり、ATBが形骸化し実質ターン性になってしまう。 ただ、ボスに「瞬時にゲージが満タンになる」という内部設定の相手が多い点を見る限り、開発側はこの仕様を認識し、それを前提として制作している節がある。 このタイプのボスとバトルモードをアクティブにして戦うと、相手のエフェクトが終わった瞬間に相手の次の行動が入力されるため相手のエフェクトが終わるまでに入力が終わっていない味方は行動が割り込まれるという、アクティブタイムバトルの名前通りの非常に忙しい戦闘となる。 これはこれでウェイトゲージの意味は無いが…。 難易度の低さ 『VIII』での複雑さへの賛否ゆえか、今作はシステムの内容的にも平たく作られており、それに呼応してか難易度的にも物足りないと言われることが多い。 先述のATBの仕様により、回復手段が充実していることがその一因ともされている。 先述の「いつでもリジェネ」に、個人の時間経過を速める「いつでもヘイスト」を装備するコンボは、あまりに強すぎるとしてよく批判される。 また被ダメージ時のカウンターとして回復アイテムを使用する「オートポーション」はそれ自体も使いこなせば強力だが、 その発動モーション中に時間が経過することでリジェネの効果で更に回復がされる というコンボも可能で、きわめて効果的な回復手段となる。 また、後半のボス戦は大味でそこまで強くなく、仮にそれらなしでも苦戦しづらいとの指摘もよくされる。 抑えめなゲームバランスには、当時メーカー側が攻略情報を規制していた事情(後述)も関係しているとみられる。 多くの敵は対策を講じれば力押しせず低レベルでも倒すことのできるバランスである。 後述のように今作は「育成」より「戦略」が重視された設計とも言え、幅広いやり込みプレイや縛りプレイが開拓可能な土壌となっている(*4)。 『V』のように、低レベルやりこみやキャラ縛りやりこみの研究を熱心に行うファンが複数いる。 またバトルの難易度はシリーズでも低い部類に入るものの、前3作で注目されたバランス崩壊級の連続攻撃手段はなく、安直で極端なバランスブレイカーは存在しない。 その一方、対策を講じづらい運要素も散見される。 例えばラスボスの「グランドクロス(全員に各種ステータス異常を1/8の確率で発動。しかも即死・瀕死・ゾンビなどアビリティでカットしきれない凶悪なステータス異常も含まれており、運が悪いと一撃でパーティが壊滅することも)」や隠しボスの「メテオ(ダメージの乱数が大きく9999に達することも)」など。 前作、前々作のような無敵化がないうえに、相手が素早く行動してリレイズなどの対策が打てないことがあるため、確実な対策手段はない。 特に隠しボスのメテオは乱数によりダメージが大きく異なり、防ぎようのない凶悪魔法として多くのプレイヤーから恐れられた。 アビリティ関連 「装備品を身につけたままAPを稼いでアビリティを習得する」のが今回の成長システムである。 少し前に手に入れた弱い武器防具であっても、アビリティを習得しきるまでは存在意義があるため、一つ一つの装備に価値がある。 終盤の強力な装備に序盤の弱い装備と同じアビリティがセットされているケースが散見される。 序盤に弱い装備でAPを稼ぎきれず未習得のままとなったアビリティを終盤に覚える救済措置となっており、親切な仕様といえる。弱い装備を使い続けてアビリティを早期に習得するか、パラメータが強い装備にすぐ乗り換えてアビリティの習得は後回しにするかの選択の自由度が高まっている。 その一方、序盤のアビリティ習得にはそこまで労力を要さず、序盤から育成に励んだプレイヤーにとっては「終盤の武器に習得済みのしょぼいアビリティの使い回しが目立つ」と映ってしまう。 また本作は『弱武器:アビリティA・B、中間武器:C・D、強武器:B・E』のように覚えられるアビリティがバラバラになっている事が多く、『弱武器:A、中間武器:A・B、強武器:A・B・C』のように新武器がアビリティ面で「上位互換」なっているケースがほとんどない。そのため装備品の取捨選択は面白くもあるが、古い武器の売却タイミングをはかりづらく、煩雑ともいえる。 ただし、上述したように本作の難易度はシリーズでも低めで単純明快なシステムのため、効率の良い進め方ができなかったとしても前作のように攻略困難になる事はまれである。 アビリティの性能が、習得できる時期と見合ってないなど調整不足な面も目立つ。スタイナーの「剣技」などが特に顕著(*5)。 「リフレク倍返し」「魔法無属性化」など使用法によっては予想外の大きな効果をもたらす独特なアビリティもあるが、それに限って必要な魔石力が多く、他のアビリティとのコンボを組みづらい。 ただし、一般的に使われないような意外なアビリティが、低レベル攻略や縛りプレイなどで大いに活用される場合もある。 コマンドアビリティは各キャラ固有で、サポートアビリティも習得可能なものがキャラごとに決まっており、全メンバーを好きに育成できた前作に比して育成自由度は低い。与えられた戦力をどう活用するかに重点を置くという、『FF4』や『FF6』に近いスタイルとも言える。 しかしこの点は「複雑すぎる」と評されやすかった前作の反動とみれば一概に難点とは言いきれない。またキャラごとの個性を尊重し世界観構築にも寄与しているといえる。 また自由度の高い前作は突き詰めれば「全キャラ同パラメータ、最後に差を分けるのは固有コマンドの違い」という状態になり、今作のようなシステムと本質は大差ないともいえる。 トランスはゲージが溜まると自動で発動するため狙って有効活用することが難しい。 初出の『VI』や、似たシステムの『VII』のリミットは条件を満たしていれば任意で発動可能だっただけに不便に感じる点である。 また、やはりキャラクター間で性能差がある。 「原点回帰」というキーワード FF6以前のファンに向けた小ネタ(地名や人名など)が目立つ。 これをファンサービスと評価する声もある一方、本作で登場する必然性が不明な要素も多く、旧作の固有名詞をそのまま持ってきただけで新鮮味が無いという意見もある。 『V』までのシリーズの象徴であり本作のロゴにまでなっている「クリスタル」の作中での扱いは、その最たる例とも言われる。 「クリスタル、再び」という販促キャッチコピーまで与えられていたが、なんとラストダンジョンまで一度も姿を見せない。 原点回帰を標榜していたことから、「FF=クリスタルの物語」という大々的な扱いの復活に期待した古参プレイヤーは拍子抜けすることになった。 もっとも設定的には物語の根底にある重要なもので、ある意味過去作以上に重要なポジションを担っているとも言える。後述の説明不足の影響を否定できない。製作陣は最終盤に満を辞して登場させたわけだが、どうも満を辞すぎた感がある。 膨大な探索要素 下記のようにアイテムや技の効果を自力で発見させる 他者との情報交換によって攻略させるという作り手の目論見自体はよいが、「説明不足」「面倒」と受け取られやすいスタイルでもあり、やはり賛否両論である。 調べられる場所や落ちているアイテムが多い フィールアイコンがシステムとして導入されたためか、様々な場所を調べられるため隅々まで調べようとするとなかなかに時間がかかる。 特に、敵とエンカウントするダンジョンでは前述の通り戦闘のテンポの悪さも相まってしんどいとする声は少なからずある。 中には有用なアイテムや時期限定品、数量限定品などが落ちていることもあるため完全に無視もできず、時間がないプレイヤーにはつらいところ。 宝箱のようなわかりやすい目印がない場所が多く、アイテムの取り逃しが多くなりやすい。 草むらや建物の影などならともかく、明らかに何もない場所に透明なアイテムが落ちている形式は少々不親切である。特に最後のダンジョンでは本当に初見で気づかない置き方をされているので超強力なザコ敵に応戦しつつ回収に望む必要がある。 説明不足なヘルプ機能 ヘルプメッセージ自体は小ネタなどが仕込まれており中々面白いのだが、肝心の解説としてはあまり機能していないものがある。 たとえば、ローブ系の装備はほぼ全て「装備すると火属性弱点になる」という重要な注意点があるが、ヘルプでもライブラでも触れられず、プレイヤーが作中で知る機会がなく不親切。そもそも気づかない人も多かったと思われる。 一応ゲーム中のあるシーンで「ファイアの魔法でローブが勢いよく燃える」という描写があるにはあるが、ここから仕様を読み取るのは無理がある。 技やアビリティの説明にも雑な物が散見される。 例えば、「盗賊のあかし」「竜の紋章」など過去の戦闘の実績により効果値が変動する技や、クイナの青魔法「リミットグローヴ」(*6)など、かなり特殊な効果であるにもかかわらず「単体に無属性のダメージを与える」としか説明されておらず、作中だけでは効果を把握できない。このようなアビリティが他にも複数ある。 同様の問題は『V』でもあったが、効果説明の場自体がなかった同作と違い、今作はせっかく説明機能が用意されているのに活かされていない。 ストーリー 一部仲間キャラの描写の格差 全員に見せ場は用意されているが、その中でも活躍するキャラとそうでないキャラの扱いの差は否定できない。 特にエーコは、ストーリー的にもキャラ性能的にも恵まれており、一部のファンからは優遇が過ぎるとの批判もある。 一方、エーコとほぼ同時期に加入するサラマンダーは、バトル性能は全キャラ屈指の強さで、設定的にも多彩なエピソードを掘り下げる余地のある人物だったが、ストーリー上は影が薄く、クローズアップされたイベントでも噛ませ犬に近い描写がされるなど、演出に恵まれなかった。 フライヤは設定的に恋人(フラットレイ)との関係が本人の人間性を構築する重要な要素のはずだが、この恋人はDisc1終盤に現れDisc2序盤にフェードアウトした後、いきなりエンディングで再登場するなど、描写不足が否めない。 終盤はそれまでのわかりやすさと打って変わり、黒幕の言葉などに説明不足感がみられる。 またDisc3あたりより急にSF要素(超文明の存在)が出てくるため、一部プレイヤーは困惑した。 もっとも「超技術を持つ異なる文明の存在」は『FF』シリーズでは定番であり、本作の世界観そのものにも関係する重要な要素であるため、後述する説明不足の影響も否定できない。 終盤の説明不足の極めつけが、ラスボスとされる。 本作の最後の最後にて唐突に現れる。具体的には、因縁の相手と相討ちのような形で戦闘が終わったと思ったらいきなり「人間は心の底では滅びを望んでいる」「世界を滅ぼすのが私の使命」といった趣旨の語りと共に現れ、そのまま戦闘に突入するが、その過程でも詳しい素性について一切触れられない。 今では本作の印象が薄れている当時のプレイヤーでも、難点としてこの「唐突なラスボス」を挙げる人は少なくなく、FFどころか「RPG全体でも屈指の超展開ボス」と揶揄する向きも強い。 ラスボスは連戦だが、前述のとおり1戦目は因縁の相手だったため「あいつをラスボスにしてほしかった」「あいつと決着をつけたかった」等という声もよく聞かれる。 ただし本作のストーリーの根底には「キャラクター一人一人が『生』と『死』に向き合う」というテーマが敷かれている。詳細は伏せるがこれは因縁の敵とて例外ではなく、「因縁の敵を死なせておしまい」ではこのコンセプトと乖離し作品のテーマが崩壊しかねないのも事実であり、本作のラスボスが「死の具現」たる存在であること自体はストーリー上むしろ必然と言え、その存在概念自体は理解できるとする意見も存在する。 問題はとにもかくにも深刻な「説明不足」にある。上記のように本作を貫くテーマは重いが、全体としてわかりやすく説明されていた。しかしラスボスと因縁の敵との関係性については、非常に漠然とした抽象的な表現でしか語られなかった。このような表現は、テーマを踏まえれば制作側の意図的な演出であるとも考えられるが、結果的に多くの人に受け入れられなかったことは疑いようがない。本作のラスボスのわかりやすいオマージュ元である『III』では、ラスボスの存在と黒幕がラスボスを呼び出そうとしていること、その理由などは事前にストーリー上で示唆されていた。このように、具体的な登場理由がほんの少し述べられるだけでも理解の一助となり、プレイヤーからの評価は違っていただろう。 情報そのものが全く皆無なわけではなく、とある場所の壁の文字や会話などから推測は可能。 問題点 ゲームシステム ロードの長さ・戦闘突入までの時間の長さ エンカウント処理後、戦闘が始まり操作可能となるまでのロードが長い。 画面暗転後、視点が回転する演出があるが、この間に敵も味方もいない背景を映しているだけのため、長く感じやすい。 その上、エンカウント率自体は高くはないが、エンカウントを軽減するアビリティがないため、体感的には実際以上にエンカウント率が高く感じられてしまう。 なおダンジョンではエンカウント率は上記の通りそこまでではないが、フィールドでのエンカウント率はやたら高い。数秒歩いたらエンカウントしてその度に待たされるため、大変ストレスがたまる。チョコボなしで探索するのは苦行でしかない。 PSの過去作である『VII』や『VIII』と比較して、バトルメンバー数が3名→4名に増えたことの弊害もあると思われる。 ただし、マップ移動時のロードに関しては『VII』より僅かに遅い程度で『VIII』より速くなっており、そこそこ快適になっている。 PS2の高速ロードに対応しており、ゲームアーカイブス版もロード時間の短縮が確認されているため、依然気になるレベルではあるもののいくらか快適になっている。 リマスター版では戦闘開始演出をカットできる機能がついた。しかしオンにしてもカットされないことも珍しくなく、またカットされていても数秒暗転状態で待たされることが多々あるなど、あまり役に立っていない。 戦闘のテンポの悪さ 上述のロードの遅さもあるが、全体的に技や魔法や召喚獣、トランスなどの演出が長い上、コマンド選択後行動に移るまでの時間が長く、全体的にテンポがもっさりしているため一回あたりの戦闘に時間が掛かる。 『VII』や『VIII』と比較して時間のかかる技を使ってくる雑魚も多いため、ロードの長さと合わせ『VII』『VIII』よりテンポが悪化したとの声も多い。 一部の特技を使う際に魔法の詠唱に似たモーションが入るようになったこともテンポの悪さに繋がっている。「水鉄砲」のようなどうということのない特技ですら、「特技モーション」→「攻撃エフェクト」→「ダメージ」という風に演出されるので、連発されると鬱陶しいことこの上ない。 前作までの欠点を解消しようとした努力が随所にうかがえる本作では珍しく、『VII』や『VIII』で散々叩かれたにもかかわらず改善されなかった点。 先述のATB使用に関連して、敵味方キャラ全員が行動を選択しているのにもかかわらず誰一人動かず内部処理の都合でバトル自体が数秒静止してしまうという、俗にいう「ATB渋滞」が多発する。 こうなってしまえば、ATBの特徴のはずのリアルタイム感はもはやゼロであり、ドラクエのようなターン制とATBの悪いところだけを合わせた状態になってしまう。 回復行動を選択したもののなかなか行動に移ってくれず、待っている間に攻撃されて戦闘不能、というのもザラである。 この点は『X-2』で行動開始までの時間が「ウェイトゲージ」として可視化されたことで改善された。 プレイヤー側の使える状態異常、割合ダメージ系の命中率 今作の状態異常や割合ダメージ系の攻撃には「基本命中率」が設定されているのだが、プレイヤー側の使える物は(青魔法「夜」などの一部例外を除き)軒並み命中率が異常に低く、中には基本命中率0%という「当てること自体が無理ゲー」レベルの代物まで存在する(*7)。 当たるかどうかも分からない状態異常攻撃を使うくらいなら、その手番を使って普通に攻撃した方が明らかに速い. ここまででも十分酷いが、よりによって今作の味方用の状態異常魔法は「全体化すると命中率が半減する」仕様がある。 ただしジタンの武器に秘められた状態異常を敵へ付与する「刀魂放気」やテント使用時に50%の確率で発生する「暗闇沈黙毒へび」は必中。またビビは「ためる」で簡単に魔力を上げられるため命中率も底上げされ、状態異常の魔法もボス戦などでは十分活用できる。旧作同様いくらかの状態異常はボスにも効くため状態異常そのものが弱いわけではない。 召喚魔法の仕様 『VIII』で演出が長かったという批判に対する反省か、今回の召喚魔法は「演出と威力を抑えたショートバージョン」「演出は長いけれど威力の高いロングバージョン」の2種類が用意されている。 しかし、初期段階ではこの2種類の演出を任意に選ぶことができず、どちらが出るかはランダムで決定されてしまう。ショートVerのほうが圧倒的に出やすい(*8)ので「短くしてくれ」という声にはある程度答えてはいるが、ロングが不必要に出て演出がかったるくなったり威力が欲しいのにショートになったりする可能性は捨てきれない。 また、確実にロングに出来てついでに威力を更に上げられる『おうえん』というアビリティを習得可能だが、アビリティなので魔石力を使ってセットしなければならず、また「威力は低くて良いので確実に演出を短くしたい」という需要は根本的に満たせない。 「宝石」の仕様に関する説明不足 「宝石」はアクセサリであると同時に、戦闘中に使用すると味方単体のHPを回復させる消費アイテムでもある。 「宝石」はアイテム使用時の回復量が種類ごとに異なり、さらに種類ごとの所持数が増えるほど使用時の回復力が増すという性質があり、隠れた特性として「所持数によって対応する召喚魔法の攻撃力が変化する」という仕様がある。 これらの仕様はゲーム中に一切説明されず、特に召喚の威力と連動する仕様を知らないプレイヤーは召喚魔法に「演出ばかり長く威力が弱い」印象を抱きやすく、召喚での攻撃がメインであるガーネットがヒロインにもかかわらず弱キャラ扱いされる事態につながった。 宝石を集められれば彼女も十分強いが、それには育成の手間に加え、他のキャラには必要ない膨大な作業を強いられることになる。 このことは、ヒロインではないエーコが白魔道士としてガーネットより優秀なことや、最強召喚獣の威力が宝石でなくエーコのレベルに依存するため育成が楽であることとあわせ、ガーネットの不遇さに拍車をかけている。 カードゲーム 上述の通りミニゲームとしてカードゲームが存在するのは前作同様だが、シンプルでとっつきやすかった前作から一転、本作のものはルールが複雑でとっつきにくいものとなっている。 その割に、システムの説明は序盤に訪れる村でヒントを記した貼り紙からぼんやりと匂わせる程度にとどまり、細かいルールを作中で厳密に知ることはできない。 各カードには上下左右斜めの8方向それぞれに対する攻撃の矢印の有無と、「5PA4」のように4桁の数字・アルファベットで表示される能力値(*9)とが個別に設定されており、これを盤面に並べてカードを取ったり取られたりして競うことになる。 ルールは単純に言えば「(1)敵カードの矢印がない側へこちらの矢印を向けたカードを置けば、無条件でその敵カードを取れる(2)敵カードの矢印とこちらが新たに置くカードの矢印が互いにぶつかる際は、こちらが2桁目の攻撃タイプ&1桁目の攻撃力で攻撃し、敵は攻撃タイプに対応した防御力で受け、数値の大小の比較で勝敗判定が行われる」と実はそこまで複雑ではない。 しかし、矢印は見た目通りの意味なのでまだよいとして、能力値の表記がとても複雑。数値は16進数でそれ自体に戸惑う人も少なくないうえ、攻撃タイプの文字表記に16進数と共通の「A」が含まれる点、物理・魔法で防御力が2つある点などは混乱を招きがちで、他の媒体で見方を知らない限り完全な理解はまず不可能である。 16進数自体は「1~9より大きいのがA~F(10進数で言うところの10~15)である」くらいを理解できればいい程度だが、中高生以下だとそもそも16進数を知らない人も多い。 さらに「攻撃力・防御力は十の位(上1桁)のみが表記される」という大雑把な仕様で、同じ表記でも実能力に16段階もの開きがあることになる。なおかつ、カードバトル中のダメージは16進数から10進数に変換されて表示されており、なおかつダメージには『VIII』のものと違い乱数の要素まで加味されるため、極めてややこしい。 カードは成長要素を持つが、成長システムの関係上、一つのカードを育てるだけでもカードゲームを何十~何百回もプレイする必要がある。 負けると育てたカードでも簡単に取られてしまい、同じカードを取り返すことは難しい。 カードの所持限界が100枚と種類数と同値であり、コンプリートを目指すのなら全種のカードを1枚ずつしか持つことができない。 再入手不可能なレアカードがどれなのかを示す指標が無く、カードの登録番号で類推するくらいしかない。 また、カードを一切やらなくてもクリアできた前作と違い、今回はなんと Disc3序盤のストーリーを進めるにはカードバトル大会に累計二回以上勝たないといけない (負けた場合はリトライが3戦目の決勝以外何度でも可能)。このカードバトル大会の決勝戦の相手(の付き添い)に会うことで話が進むのだが、それが必須イベントだとまでは思わずしばらくいろんなところをうろついてしまった人もいるだろう(*10)。 一応ルールが分からず適当にやっていても何回か挑戦すれば運良く勝てる難易度ではあるが、カードが苦手、システムが分からないという人には苦行以外の何ものでもなかった。 手持ちのカードを捨てているとトット先生から強力なカードを貰えるという救済措置はあるが、情報がないので気づかない。カードスタジアムでもカードが買えるが最弱クラスのものばかりである。 その他 前述のタイムアタック要素である「エクスカリバーII」は、本作にふんだんに盛り込まれた他のやり込み要素や本作全体にわたる個別の演出の長さと噛み合っていない。 ほとんどのやりこみ要素を捨てないと「エクスカリバーII」の入手は困難で、これを含んだ全要素コンプリートは時間的に到底不可能である。 このようなタイムアタック要素があるのに、ムービーカットなどの機能がない。 そのため「ディスクオープンでのムービーカット」という邪道な荒業が通常のようにまかり通ることとなった。これにより故障の報告が急増したという話は特にないが、ハードウェア的に推奨されない行為を誘発しかねない仕様は批判の対象となっている。 なお、設計上はムービーをカットしなくても充分間に合うようになってはいる。 さらに、エクスカリバーIIは各キャラごとに用意された最強武器(*11)という位置づけなので、通常プレイではスタイナーの最強武器だけ手に入らないという問題もある(*12)。 後述する次世代機移植版は処理速度倍化機能やプリレンダムービーを飛ばす機能が追加されているが、エクスカリバーIIの条件は実際のプレイ時間で判定しているためこれらの機能を活用すれば事実上の猶予時間が倍以上になる。 総評 前2作とは方向性こそ大きく異なるものの、中世ヨーロッパファンタジーを基調とした温かみのある世界観、デフォルメの効いたキャラ造詣による独自の作風に、深みのあるシナリオが加わり、『FF』ナンバリングにふさわしい作品となっている。 『FF』旧作ファンに向けては音楽や用語など過去作のオマージュが多数盛り込まれる一方で、そうでない人でも親しみやすく懐かしさを感じられる、情緒溢れる作風に仕上がっている。 ムービーのクオリティもプレイステーションのスペックでは最高峰ともいえる出色の出来であり、あらゆる表現が高いレベルでまとめ上げられている。 一方、前作のジャンクションシステムのような先鋭的な挑戦はあまり盛り込まれていない。 よく言えば初期の作風に回帰した古き良きFF、悪く言えばゲーム面においる目新しさに欠ける作品ともいえ、凝った斬新なシステムを好む層にはやや食い足りないと感じられる面もある。 戦闘面はロード時間の長さやATBの大味さ、易しめの難易度など手放しで評価できないとする意見もある一方で、メインシステムもシナリオもシンプルで素朴ながらも堅実な作りで纏め上げられており、特にシナリオの出来は今なお高く評価する声も多い。 「複雑なシステムのRPGよりシンプルな作風が好み」「王道的な中世風の世界観を堪能したい」「芯のしっかりしたシナリオを味わいたい」というユーザーには今でも十分おススメできる作品といえる。 余談 本作には予約特典としてビビの人形が付属したが、当時はコンビニでゲームの予約ができるようになったばかりという時期で、渡し忘れもあったようだ。 前作に比べると売上は伸び悩んだ。 『VII』『VIII』と着実に売上を伸ばしてきた『FF』シリーズだったが、PS最終作となる本作では大きく失速した。 原因として考えられるのは以下の通り。 PSへの移行の際に掴んできたファンへのアプローチが十分に出来ず、旧作ファンからは原点回帰というキャッチフレーズを訝しがられたこと。 PSに初移行した『ドラゴンクエストVII』の発売に話題性を取られた。 本作の発売時点で既にPS2が発売されており、PSのゲームの売り上げ自体が下火になり始めていた。 事実、これ以降の『FF』シリーズは、こういった世界観の作風からは離れ、むしろ前作・前々作に寄った作りのものが多くなっていった。和田洋一氏のnote記事によると、本作のようなファンタジー・低頭身・人外などといった要素が共存する「クラシックFF」の系譜は『クリスタルクロニクル』シリーズに任せ、『VII』『VIII』『X』のような「ネオFF」の系譜とは分けられる方針になったことが語られている。ただし、『XII』『XIV』『XVI』のように、比較的ファンタジー色が高い作品も存在する。 なお、それでもゲームアーカイブスの売れ筋ランキングでは常に上位だった事や、配信や動画サイトでの公式生放送の時には多くの人気を集めており、本作の根強い人気を証明している。 いずれにせよシリーズ全盛期の一端を担った作品の一つであることに変わりはない。 当初は重厚な『アルティマニア』シリーズなどに代表される、書籍としての攻略本は本作では作らない予定だった。理由は、当時既にインターネットがだいぶ普及してきており、ユーザーのやり取りで攻略情報を探してほしい、という坂口氏の目論見があったためである。 実際に坂口氏の目論見通り、『IX』の攻略サイトや攻略BBSは過去のゲームと比べて大いに賑わった。 何と、公式の攻略サイト「オンラインアルティマニア」まで用意され、実機調査では知り得ないデータも掲載されていた。 しかし、ユーザーからは「攻略本を作ってほしい」という要望も少なからずあった。有志による「FFIXあるてまにあ」などの攻略同人誌が作られたことからも、その需要は窺える。 結局、本作発売から1年半の時を経て『ファイナルファンタジーIX アルティマニア』が発売された(*13)。ちなみに、『ファイナルファンタジーX アルティマニアオメガ』の方が先に発売されている。 当時、『XII』の発売延期を受けて、『アルティマニア』シリーズの出版などを手掛けていたスクウェアの関連会社・デジキューブが経営危機に陥っていた。『IX アルティマニア』の発売は、この穴を補填するためだったとも言われている。『XII』の更なる発売延期により、結局デジキューブは倒産してしまったのだが…。 タイムアタックプレイにより入手できるエクスカリバーIIは最初期は「都市伝説」とも言われていたが、インターネットを介して証拠画像が多数広まり、一般にも認知されることとなった。この点では「攻略本を介さない、口コミとインターネットによる攻略情報の流布」という坂口氏の目論見は成功したと言える。 先述の通りRPG開発ノウハウの無いハワイスタジオ制作のため、そのサポートとして『FFT』の一部スタッフがヘルプ要員として参加している。『FFT』のフォントがそのまま使われていたり、それまでのナンバリングには馴染みの薄い『FFT』由来のネーミングが散見されているのはここに起因している。 ゲーム中に前述した過去のFFネタ以外にも同社の別タイトル『パラサイト・イヴ』ネタや、『FF』どころかスクウェアとは何の関係もない『バイオハザード』ネタが仕込まれている。気になる人は探してみよう。 後作の『XII』や『XIII』には、ミニゲームや地名などに本作のオマージュ的要素が含まれている。 電撃オンラインのリメイクしてほしいゲームランキングで7位にランクインした。 本作の主人公の名前は「ジタン」である。綴りこそZidaneだが「ジダン」ではないので注意。 『FF』のギャグ系ネタを集めたサイト等でも『IX』の部分だけ(ゲームを知らなくても書ける)某サッカー選手ネタばかりだったり…(*14)。 + ラスボスネタバレあり注意 ラスボス「永遠の闇」はペプシコーラのCMに登場するキャラクター「ペプシマン」に容姿が非常に良く似ているため、ネット上では「ペプシ」などと呼ばれている。 「ペプシマン」呼ばわりされた背景には、本作がコカ・コーラとコラボレーション企画を行っていたことも起因する。当時のTVCMで『IX』のキャラクターたちが登場したり、コカ・コーラに『IX』のフィギュアのおまけが付くなどの企画を行っていた。おかげで「コカ・コーラのライバル=ペプシ」という図式ができあがってしまった。 ところでチョコボを育てていくと戦えるようになる隠しボス「オズマ」は外見がペプシコーラのロゴマークにかなり似ているかもしれない。 ちなみに、当時のコンビニのレシートは文字数が少なく、711の場合予約商品名が何と書かれていたかというと…?(*15) 2021年6月にフランス・パリに拠点を置くアニメ製作・配給会社Cyber Group Studiosが本作をアニメ化すると報道された。 移植 2016年2月にiOS/Android版、4月にWin版としてリマスター版が配信開始された。制作はシリコンスタジオ。 グラフィックの高解像度化やこれまでのシリーズ移植で追加されてきたブースト機能やオートバトルが実装された。戦闘開始時の演出カットも選択でき、プレイヤーの声が反映されたものとなっている。 その他の変更点として、フィールド移動の際にオートセーブが追加、プリレンダムービーのスキップ機能の追加などが行われている。 また、カードゲーム可能なNPCはアイコン表示で分かりやすくなっていたり、戦闘のコマンド欄が4つから6つに変更されている他(*16)、名前入力画面がオリジナル版から別物になっているなど、細かい部分にも変更点が多い。 高解像度化はされているが、背景はPS版の素材を引き伸ばしたような状態になっているため粗さがやや目立ち、滑らかにリモデルされたキャラの3Dポリゴンが相対的に浮いて見えてしまうという難点もある。 他にもWin版や下記の家庭用機においてスティック移動がPS版と違って8方向しか移動できない、戦闘終了後マップのBGMが最初から再生されるなど(後にパッチで修正)、人によっては気になる点もあるが、遊びやすくなった調整やテンポの向上によって概ね良リマスターとして受け入れられている。 Win(Steam)版は、対応言語の一覧には日本語が含まれていないが、実際は日本地域への配信では日本語にちゃんと対応しており、このことはSteamのストアページでも説明されている。 ただしあくまでも日本のSteam公式ストアもしくはスクウェア・エニックスe-STOREで購入した場合のみ日本語が付く。このため、海外の外部サイト経由で買ったり、海外在住者などの場合は日本語が省かれてしまうので一応注意。後からDLCで追加することもできない。 Steamゲームではよくあることだが、Steamの言語設定にかかわらず、初期設定は英語で固定されている。日本語でプレイしたければタイトル画面で切り替える必要がある。 また、日本語に設定するとAボタンとBボタンが勝手に入れ替わる。設定で変更可能だが、タイトル画面の操作は変えられないので注意が必要。 Steam版は他のSteamゲーと同様、各種実績やトレカ バッジにも対応している。 海外では過去のFFシリーズが次々とSteam向けに移植されているのだが、日本では何故か長らくFF8までが国内不売&日本語非対応(いわゆる「おま国」)となっており、正式に日本で販売されているのはFF9以降のタイトルのみであった。 FF8以前のタイトルについては後に、FF8のリマスター、FF3 4の3Dリメイク、FF7のリメイク、FF1~6のピクセルリマスターが日本向けにも配信されている。 2017年9月19日にはPS4版も配信。 制作はギルドスタジオという会社に変わっているが、本作のリマスターを担当したスタッフが独立した会社である。内容も上記Win版をベースにしており、同様にトロフィーにも対応している。 購入特典で板鼻利幸氏描き下ろしの背景イラストも含むオリジナルテーマがもらえる。BGMは「いつか帰るところ」、カーソルと選択音もFF9仕様になっているのでファンは見逃せない。 2019年にSwitch/One/Win(MS Store)版がリリースされた。 これを記念し、2018年末にスクエニ公式主催で「『FFⅨ』48時間ぶっ通しゲーム実況生放送」が行われた。(参照) ちなみに、プレイされたのはPS4版。一部のムービーやイベントはネタバレ防止のために音声だけになったり、出演者があまり似ていない物まねをして笑いを取るという展開であった。 テトラマスター POL(*17)上で運営された、『Ⅸ』のミニゲーム、クアッドミストのカード追加版と言えるもの(*18)。現在は終了している(2010年12月31日まで)。 プレイ料金は無料だが、ソフトの入手には『XI』のどれか(*19)か、『FRONT MISSION ONLINE』が必要であった(PS2版はHDDが必須になるのでプレイのハードルは高かった)。 ランキング優勝者が使用したカードデッキが自動的に販売されるシステム等、システム面もよくできていたが、他のゲームと同時には遊べないため、『XI』のメンテナンス時が一番にぎわっていた。